僕の名は靖麻呂

高校生 政治厨 軽度の神経衰弱

れいわ新選組はダサいか



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 賢明なる日本国民諸君は山本太郎議員が今月に「れいわ新選組」(*1)なる新党を立ち上げたことを既にご存知であろう。この山本太郎議員は以前、「尖閣諸島は韓国にあげたら良い」などという国民意識の欠いた発言をしていた為に保守派からは罵詈讒謗を食らわされている。

 しかしながら、その経済政策の主張は正しいデフレ対策(減税・財政出動・金融緩和)を理解したものであることから、彼は現在の政界に於いては極めて貴重な存在であると思われる。

 そういう訳で、私はこの「れいわ新選組」には注目している。早速ソーシャルメディアで同党を検索してみたところ、

「名前がダサい!」

「名前が新撰組だと日本維新の会に負けるンゴw新撰組は所詮、先の時代の敗北者じゃけえ!」

「名前が新撰組なので政府側につくつもりだ!」

「名前が新撰組なので縁起が悪い!」

 

 などの党名についての指摘や、

「政策が現実を見ていない」

「財源はどうするのだ」

 という政策についての指摘が多く見られた。

 しかし、これらの指摘の多くは的を得ていなかったり筋が通っていないと言える。

 

一. 党名

 確かに新撰組幕府軍側で、討幕軍に敗北した。しかしこの点を以て縁起が悪いとするならば、日本維新の会についても同じことが言える。例えば以下の通り。

 

・討幕軍は錦旗を掲げて戦った。

日本維新の会天皇を政治利用するつもりだ!あるいは縁起悪い!

 

明治維新は英国の強い影響下で進んだ。

日本維新の会は外国勢力につくつもりだ!あるいは縁起悪い!

 

・「明治九年に薩摩でつくられて四方に流行したという数え唄の「ぬ」のくだりに、「盗みは官員、咎は民」という文句があるが、これなども、世間一般の新政府に対する悪感情をよくあらわしているといっていいであろう」(*2)

日本維新の会は民意などどうでも良いと考えている!あるいは縁起悪い!

 

 勿論、かくなる党名についての批判を我々はあまり聞かない。その理由は、政治の刷新を取り組み、日本を前進させようという意気込みで「維新」という党名にしたということが理解されているからであろう。

 山本太郎議員も同様に、彼自身の意思をもって党名をつけたのである。

 このように(*3)。

「 (幕末の)新選組は幕府側・権力側ではないかという意見もあると思うが、今の権力は誰が握っているかというと、主権在民だ」と話した。

(一部省略)

ハフポスト日本版が山本氏に「幕末の新選組は、明治維新に勝てなかったという意味で縁起が悪いのでは?」と質問すると以下のような回答だった。

「過去は、そうでしたね。でも、新しい時代ではどうかというと、維新を名乗りながら、権力にべったりという逆転現象が起きているから気にすることはないと思っています。自由民主を名乗る者たちが真逆なことをしている。そういう逆転現象が起きるのが永田町だと思ってもらえれば」

 

 

 しかし、れいわ新選組の場合は上記と同様の批判を聞く訳である。この違いを説明するには、二通りの解釈をとる他ない。即ち、

 一、党名の縁起が悪いなる批判は、山本アンチによる低俗な揚げ足取りである。

 二、党名の縁起が悪いなる批判は、勝った方(新政府)が偉くて、負けた方(幕府側)が悪だという価値観に則っている。

 何れにせよ取るに足らないものである。

 一方、純粋にダサいという意見は理解できる。私もそう思う。令和を平仮名にしたことや、新撰組の「撰」を「選」にしたことは個人的に好きではない。ロゴマーク肉球らしきものを導入したり、旗のようなデザインを採るなどしているが、好きじゃない。恐らく固いものが嫌いだという層を考慮した工夫なのだと思うが、その遊び心が裏目に出て「頼りない」という印象を多くの有権者に与えてしまうのではと、私は危惧している。

 結論として、「新撰組は縁起悪い」なる発言は良識を欠いたものであるが、感想なら人それぞれで良い。

 

二.政策

 

 肝心の政策の方は「現実味がない」という評価が多い。では本当にそうなのかを一つ一つ検証してみるとしよう。

 以下引用部はれいわ新選組のホームページ(*4)から一部抜粋。

財源はどうするの?

新規国債の発行です。確実に足りない分野と人々に大胆に、財政出動を行い、生活を支え積極的に経済をまわします。
経済成長すれば当然、税収は増えます。

国債発行は無限ではありません、
インフレ目標2%に到達するまで、です。
到達後、金融引き締めで増税まで必要な場合には、
税の基本(応能負担)に還ります。

 ・先ず「山本太郎の政策は財政を無視している」などという発言は、ホームページを碌に読んでいない者によるということが分かる。

 

 

消費税は廃止
コンクリートも人も

何かと悪者にされる公共事業・公共投資ですが、
雇用や防災を考えれば必要不可欠。
防災対策だけでなく水道、鉄道などの公共性の高いものは国が主導し、
積極的に支出します。

 消費増税賛成論はおおよそ「増税しなければ財政が悪化する」という懸念に基づくが、バブル崩壊以降の増税路線、緊縮路線の結果として赤字国債GDP対比率が悪化した。アメリカも90年代前半は財政難に苦しんでいたが、経済主導の政策を行ったところ、経済・財政ともに改善した。

 この二点を鑑みれば緊縮財政はデフレ期において合理的ではない。

 これらの政策は以上の現実を踏まえていると言える。

 

安い家賃の住まい

空き家、中古マンション、団地を活用し、
全ての世代が初期費用なし、安い家賃で住める公的住宅を拡充します。

・ 不動産業界を切り捨てるつもりかという指摘があるかもしれないが、超少子高齢社会を迎えようとする我が国は、ますます空き家が増える筈である。よって、新しい住宅をジャンジャン作りまくることが不動産業界にとって良いことであるとは考えられない。

 不動産ジャーナリストの木下氏は自身のブログで以下のように主張している。

 

普通に考えてください。ヒトがいないのに家ばっかり作って誰が住むの?頭沸いてるの?

金利が安くて新築はお得ですが、融資の審査が厳しくなっているので一般家庭への販売戸数は伸びていません

空き家問題が深刻ですが、空き家バンクなど政策は効果なし

リノベが流行ってますがリノベできるのは一部のそれなりの所得のある人だけ

それでも、家賃が多少高くても東京の便利なところで綺麗な物件に住みたいんだ!!

これが現場の声です、私たち世代のお客様の本音です。

そろそろ長引く不景気で、

家賃が高いことに疲れてきたんです。私たちは。

都営広尾5丁目アパートってご存知ですか?

広尾の交差点からすぐ近くの都営アパート

場所いいのにめっちゃ家賃安い都営住宅。残念ながら抽選でほとんど空きが出ません。

 

こういうとこが増えてほしい!!!

 

えっ、一等地格安物件が増えたら不動産オーナーが困る???

私もマンション投資でオーナー様からタワマン物件を預かっていますが

私がオーナー様に持っていただいている物件はニッチな富裕層向け物件なので問題ありません

 この政策は以上のような現実を踏まえていると言える。

 

奨学金チャラ555万人を奨学金政令で救います。

全国一律!最低賃金1500円「政府が補償」
中小零細企業に影響がない様に、不足分は国が補填。
最賃との整合性をかんがみ、生活保護基準も引き上げます。 年収200万円以下世帯をゼロに。

 ・徳政令最低賃金の引き上げは、あまり成功例がない。韓国の文政権も同様の政策を行ったが、効果は認められていない。

 この政策は以上の現実を踏まえていないと言える。

 

公務員を増やします

実際は世界から見て日本は公務員の数が少なく、現場は過酷です。
1万人あたりの公務員数をみると日本は、
英国の約3分の1、米国の約2分の1です。

山本太郎議員の指摘通り、「日本は公務員が多すぎる!」というのは数字に基づかないイメージに過ぎない。

 保育士は不足、医者も不足、教職員も不足、自衛隊員も不足、私の近所の交番もいつも誰もいない。

 この政策は以上の現実を踏まえていると言える。

 

一次産業戸別所得補償

あまりに低くすぎる食料自給率を100%目指し大改革。
第1次産業に就けば安定した生活が送れるよう政府が戸別に所得補償します。

・輸入国に紛争や凶作があれば、国民を飢えさせかねない現状。

 この政策は以上の現実を踏まえていると言える。

 

災害に備える

防災庁を創設。
実際に復旧・復興に取り組んだNPOなどの方々も雇用し、
そのノウハウを蓄積、有事に備えます。
国として行える組織作りを始めます。

南海トラフ、首都直下型地震

 この政策は以上の現実を踏まえていると言える。

 

お金配ります

一人あたり月3万円を給付。二人ならば月6万円、4人ならば月12万円。
インフレ率2%に到達した際には、給付金は終了、
次にデフレ期に入った際にまた再開します。

・これによる景気への期待は絶大で、消費は確実に伸びるであろう。しかし、それが裏目に出てインフレ率が2%に間に合わなくなるのではという危惧もある。また、インフレ対策としてこの給付を中止した際、その落差が激しい波及を及ぼす恐れもある。

 デフレ対策はある程度段階的な方が無難である。

 この政策は以下の現実を踏まえていないと言える。

 

真の独立国家を目指します〜地位協定の改定を〜

沖縄・辺野古基地建設は中止。普天間即時の運用停止。
在沖海兵隊にはカリフォルニア等への移転をお願いし、これまでの駐留経費と同等の費用を日本側で持つことを前提に、
米国側と再交渉。沖縄の民意を尊重します。
費用負担が厳しければ、必要分の米国債売却を検討。

地位協定の改定や米軍撤退の実現の為にはそれ相応の外交力が必要。

 この政策は以上の現実を踏まえていないと言える。

 

「トンデモ法」一括見直し・廃止

TPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、種子法、
特定秘密保護法国家戦略特別区域法所得税法等の一部を改正する法律、
派遣法、安全保障関連法、刑訴法、テロ等準備罪など

 これらは森友問題や麻原死刑囚の報道のどさくさに紛れて可決されたものが多い。大体、日本の重要な価値に値段をつけて外国に売り渡すものであったり、政権側に過剰に権力を付与するものであったりする。

 具体的に問題点を簡単に列挙すると、

 

TPP→デフレ期に供給の上昇を促すという不合理。ISDS条項や重要P4条約によって、多国籍企業に司法の権限を与えかねない。

水道法→世界中で失敗している。再公営化のコストは膨大。コンセッション方式では企業は責任をもたない。

カジノ法→諸外国のような依存対策なし。外資に需要が流出する可能性もあり、経済が活性化するという保証はない。

漁業法→以前、九州で企業が漁業に参入したことがあったが、経験が乏し過ぎて失敗し、撤退。漁師達は損害を被った。

入管法→生産性向上を阻害する。それは賃金の低下をもたらす。

テロ等準備罪→「茸狩りをしていた人」など、意味不明な適用対象を含む。

 

 この政策は以上の現実を踏まえていると言える。

 

原発即時禁止・被曝させない ~エネルギーの主力は火力~

原発は安全を保てるのか?その答え合わせは大地震の後になります。
人々の生業を奪う発電からは撤退。国の積極的投資で日本の廃炉技術を世界最先端に。
エネルギーの主力は火力。自然エネも拡大します。
東電原発事故による被災者・被害者への支援の継続、拡充を

・火力エネルギーを主力にするのは、不可能ではないが、環境汚染が懸念される。また、ホノルズ海峡が閉鎖された場合、究極的あじゃぱあである。

  九州大学などが研究している洋上風力発電や、効率的な地産地消のモデル、沖縄の海底で可能性が指摘されている石油資源などの方が、代替え案として有効である。その場合、原発即時廃止ではなく、段階的な努力が必要である。

 この政策は以上の現実を踏まえていないと言える。

 

 このように、れいわ新選組の政策はある程度は現実を踏まえている。そして、その現実を踏まえた程度は自民党や大部分の野党に比べれば断然優れていると私は見た!

 同党の政策はこれ以外にもある。既存の政党にうんざりしているという読者には、下の注釈にリンクを貼っている(*4)ので、是非一読されて頂きたい。

 

 

【注釈】

*1 「令和新撰組」は誤表である。

*2 司馬遼太郎  「翔ぶが如く」より

*3 ハフポスト

「れいわ新選組山本太郎氏が結成(UPDATE)「新選組は幕府側・権力側ではないかという意見もあると思うが…」
2019年04月10日 安藤健二 より抜粋

「れいわ新選組」山本太郎氏が結成(UPDATE) | ハフポスト

*4 れいわ新選組 ホームページより抜粋

れいわ新選組