僕の名は靖麻呂

高校生 政治厨 軽度の神経衰弱

日韓貿易戦争の戦況


f:id:miyukiyasmaro:20190907185904j:image

 前稿にて「クーラーもお役ご免かな」などと書いておりましたが、もう暫く暑い日が続きそうです。特に夜はあと数日間熱帯夜が続くそうなので、クーラーはためらわず使いましょう。

 外出時は扇子の携帯をお薦めします。近頃 気づいたことですが、扇子というのは素晴らしい発明でございます。僅かな力で吹く涼しい風!使わない時は一瞬で小さく折り畳むことが可能!もはや荷物にすらならない軽さ!そして何より、麗しき見た目!扇子ほど爽やかな形をしたものはございません。全く良いセンスでございます。皆様も是非、扇子をお使いになって、もう暫くの暑い日々をお過ごし下さい。

 暑いといえば、近頃どうも日本政府と韓国政府の間はホットでございます。わたしとしては、争い事は少ない方が理想なのですが、いかんせんそうもいかないものですね。ただいま行われている輸出の規制や不買運動のやり合いは「日韓貿易戦争」と呼ばれています。戦争という言葉は物騒なのでなるべく使いたくないものですが、気を引き締める意味も込めまして戦争と呼称致します。

 

■戦争勃発の経緯

 まず、なぜこのような事態になったかという基本的な情報を把握したいと思います。これについては、両国で認識が食い違っております。まずは韓国側の言い分を見てみましょう。

f:id:miyukiyasmaro:20190907120500j:image
f:id:miyukiyasmaro:20190907120514j:image

f:id:miyukiyasmaro:20190907120524j:image

  日本が徴用工等の件について、まだ賠償金を支払うべきか否かについては、別の機会に検証することとします。

 続きまして、日本側の言い分です。

f:id:miyukiyasmaro:20190907120433j:imagef:id:miyukiyasmaro:20190907120620j:imagef:id:miyukiyasmaro:20190907120633j:imagef:id:miyukiyasmaro:20190907120641j:image

 韓国側は歴史問題が、日本側は北朝鮮への物の流出が貿易戦争の発端だとしています。とは言え、度重なる賠償金の支払い命令で日本国内に嫌韓(いかん) ムードが高まっていたことは確かです。そうした世論への忖度がなかったとは言い切れないものです。

 しかしいずれにせよ、このままでは日本の輸出品が北朝鮮の兵器になる可能性は変わりません。したがって、今回の貿易戦争は仕方のないものではあったと考えます。

 

■日韓貿易戦争実況

 それでは突然ながら、これまでの日韓貿易戦争を実況仕立てで解説します。尚、わたしはスポーツ等にはあまり詳しくないので「実況っぽくねえじゃねえか!」等と思われてもどうかご容赦下さい。

 

 いよいよ始まりました「日韓経済バトル」。実況と解説はわたくし三幸靖麿呂が務めさせて頂きます。引用部は皆様お馴染みWikipedia先生が担当しております。(以下引用部https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9F%93%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%88%A6%E4%BA%89_(2019%E5%B9%B4)

 さあ7月1日、先に動いたのは日本。韓国に向けて狙いを定めた。

日本の経済産業省は、半導体材料3品目(レジスト、高純度フッ化水素、フッ化ポリイミド)について包括的輸出許可から個別輸出許可へ切り替えると発表。同時に、輸出管理上のカテゴリーにおいて韓国をホワイト国(旧名称、現:グループA)から除外する件について、パブリックコメントの受付を開始した。事実上はホワイト国からの除外の予告。

 個別輸出許可への切り上げであります。簡単に説明すると、半導体スマホを製造する時に不可欠な物)を輸出する際、企業が政府との間で行う手続きが極めてめんどくさくなります。ビジネスはスピードが命!韓国の半導体メーカーに大打撃であります。半導体といえば、韓国の主要産業の一つ。日本はアキレス腱とも言える弱点を狙ったのであります。

 さらにホワイト国からの除外を予告。堂々たる宣戦布告。

 7月3日、韓国はどうでるか。

韓国政府は半導体材料や装置の国産化支援に毎年1兆ウォンの予算を充てる構想を発表。

 来る攻撃に備え、守りに入りました。

7月4日 - 日本の個別輸出許可への切り替えが発効。

 日本は攻撃を実行。先制攻撃であります。

 おっと、ここで世界貿易機関WTO)から中継が入っております。

7月24日 - 世界貿易機関WTO)の一般理事会で、日本が実施した半導体材料の対韓輸出規制が議題になったが、日韓以外からの発言は無かった。メディアの取材に対して複数の国が、複雑な歴史が絡む日韓の対立に巻き込まれることは望んでおらず、2国間で対処すべき問題だとコメントした。

 仲裁を行う様子はまるでございません。一対一のサシの決闘が暫く続く見込みであります。

 さて八月に入り、夏休みが始まりました。因みにわたくし三幸靖麿呂は、この時点で宿題を終わらせていた!

 さあ、ここで河野選手が動く。

8月1日 - 日本の河野太郎外相と韓国の康京和外相がタイのバンコクで会談し、韓国側はGSOMIAに影響を与えることを示唆した。

 日・米・韓が情報を交換し、北朝鮮に対抗するGSOMIA。韓国がこれを破棄するという展開も予想されます。

8月2日 - 日本政府は、韓国をホワイト国から除外する旨を定めた輸出貿易管理令の一部を改正する政令閣議決定した。また、「ホワイト国」の名称を廃止し、新たにグループ制に切り替えると発表した。韓国は「グループB」に割り当てられた。同日、韓国の洪楠基経済副首相兼企画財政部長官は日本を韓国の「ホワイト国」から外すと示唆した。

 日本が再び韓国に狙いを定めた。そして、お互いにホワイト国から外し合います。いよいよ戦いが本格化しつつあるのでしょう。

8月7日 - 日本の「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」が公布。

  早くも二発目の発射準備完了。これが発動すれば半導体のみならず、兵器への転用の恐れのあるものの輸出はめんどくさくなります。さあ韓国、今のところやられっぱなしですが、反撃は来るのでしょうか。

8月8日 - 韓国環境省は、「火力発電所から排出されセメントの材料となる石炭灰の輸入にあたって、従来は一部に限っていた放射線検査を全てに義務付ける」と発表。

 おっと、何でしょうかこれは?ちょっと不思議な攻撃だ。放射線濃度は韓国の方が高いはずです。これは「日本は放射線まみれ」という印象を世界にばらまく為の嫌がらせなのでしょうか。

8月22日 - 韓国大統領府である青瓦台は、国家安全保障会議NSC)の常任委員会を開き、日韓で防衛秘密を共有する日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。

 遂に出ましたGSOMIA破棄!マスメディアは安全保障の危惧を一斉に叫びます。

 おっと!噂をすれば北の方から不気味な閃きが!8月24日に北朝鮮より、二発の飛翔体が発射されました。GSOMIAが破棄されるのを見て、我々を舐めてしまっているのでしょうか。

 さあ、日本。そろそろ二発目の攻撃が繰り出される予感。

8月28日午前0時 - 日本の「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」が発効。

 決まりました。輸出貿易管理の一部を改正する政令。いよいよ試合も白熱して参りましたが、本日はここで実況を中断致します。では、これからの主な決定事項をご確認下さい。

9月 - 韓国の「ホワイト国」から日本を除外する方針が実施(予定)。
11月23日 - 8月22日の日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄決定により、午前0時にGSOMIAが効力を失う(予定)。

以上、引用部https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9F%93%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%88%A6%E4%BA%89_(2019%E5%B9%B4)

 

 さて、ここまでが一般的な教養としての基礎情報であります。恐らく、以上のことを把握していれば、少なくとも恥をかくようなことはないかと考えます。

 では、ここからはあまりニュースでは報じられないような情報を記していきます。

 

■韓国は貿易戦争なんかやってる場合じゃない

 時を遡(さかのぼ)り、日韓貿易戦争が始まるちょっと前の話をしましょう。今年の四月でございます。桜の花弁がわたしに桃源郷を思わせた一方その頃、韓国ではウォンが暴落。これは米中貿易戦争の影響と言われています。韓国経済は中国への輸出に依存していたのですが、中国が苦しめられることで主要産業に次々と打撃。耐えかねた韓国経済は遂に体調を崩し、ウォン暴落という深刻な症状が顕(あらわ)れたのです。

f:id:miyukiyasmaro:20190903193820j:image

 このままでは韓国は通貨危機になるのではないかと予想されております。ところで、韓国はこれまでにも二度通貨危機を経験したことがありました。どのようにしてこれを乗り越えたのでしょうか。実はどちらも日本の援助を受けて回復したのでした。そういうわけで、今回も日本に頼りたいところだったのですがこの有様。日本が助ける見込みがなくなります。「日本が助ける見込みがなくなる」ことが更なるウォンの不信認を招きます。『「日本が助ける見込みがなくなる」ことが更なるウォンの不信認を招く』ことが更なるウォンの不信認を招きます……。

 このように、韓国は戦う前から劣勢だったのです。

 

■両国の貿易依存度

「韓国は中国、アメリカに次ぐ日本との貿易相手国だ」このように聞くと、日韓貿易戦争が深刻なもののように思えます。実際、韓国が三番目の貿易相手国というのは確固たる事実です。

 しかし、そもそも日本の貿易依存度は意外と低いものです。つまり、日本がやっている貿易の内で韓国との貿易は大きい割合を占めていますが、「貿易」そのものの割合が低いわです。そこのところを考慮しないと、日本経済において韓国との貿易が大事であるかどうかは分かりません。

 というわけで、わたしは日本経済がどのくらい韓国に依存しているかという、正真正銘の「韓国依存度」を突き止めてみました。それが次のグラフです。

f:id:miyukiyasmaro:20190907172522j:image
f:id:miyukiyasmaro:20190907174146j:image

 左側の赤い棒が、日本経済が韓国への輸出(入)にどれだけ依存しているかという統計。名付けて「日本経済の韓国輸出(入)依存度」です。その値は1.9%。今回の貿易戦争でこのほんの1.9%の一部が失われると考えると、あまりヤバいことのようには思えません。

 右側の緑の棒は先ほどの逆、「韓国経済の日本輸出(入)依存度」です。韓国の方が遥かに高く、不利であることが分かります。

 因みにこれらのグラフを作るのには大変苦労しまして、計四時間くらいかかりました。疲れましたが楽しかったです。

 

■GSOMIA破棄は本当にヤバいのか

 日米韓が情報を交換しあい、北朝鮮などの脅威に立ち向かう条約GSOMIA。韓国はこれを破棄してしまい、ヤバいことになったぞということでマスメディアは大騒ぎしております。では、実際のところにどうなのでしょうか。

f:id:miyukiyasmaro:20190905204347j:image

 これは、各国が運用する人工衛星の数です。これを見て分かる通り、韓国はあまり多くの人工衛星を持っておりません。これでは、他の国が知らないような北朝鮮関連の情報を調べるのは困難です。このような未熟さもあって、韓国は不正確な情報を発表をしてしまうことがあるようです。

 

韓国国防省は二十六日、北朝鮮が二十五日に発射した飛翔体は、飛行距離が二発とも約六百キロだったと明らかにした。二十五日の発表では一発目が四百三十キロ、二発目は六百九十キロとしていたが、米韓で分析した結果として修正した。

東京新聞(https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201907/CK2019072602000290.html)より

 こうして見ると、韓国と情報を共有することは、あまり重要なことではないように思えます。

 但し、GSOMIA破棄の途端に北朝鮮が飛翔体を撃った事実は無視できません。日本の情報力が大して変わらないとしても、結果として北朝鮮に舐められたわけです。そういうわけで、これは全然楽観視できるというわけでもありません。

 

■あとがき

「どちらが有利か」という話になると、断然日本の方が有利です。ですからこの貿易戦争は日本の勝ちということになるでしょう。

 しかし、問題は勝ち負けではないと考えます。勝ちだろうが負けだろうが、被害が少ない方が望ましいことは確かです。わたしは「日本経済の韓国輸出入依存度」で、日本経済全体は韓国に依存していないことを明らかにしました。とはいえ、一部の観光業界には甚大な被害が与えられるかもしれません。そうした方々の為にも、国が何らかの対策を講じるべきです。具体的には減税や財政出動などが考えられます。

 また、もし韓国も日本も豊かになることができるwin‐winの道があるならばそちらの方が望ましいものです。具体的には、韓国の「反日親北朝鮮」をやめさせるとか。

「韓国人はみんな反日なんだからそんなの無理だよ」

 という指摘があるかもしれませんが、そんなことはありません。韓国に行ったことがある知人によると「韓国で反日を言っているのは年寄りだけで、若者は親日が多い」とのことです。何より、韓国では「反日種族主義」という大変革が始まっています。f:id:miyukiyasmaro:20190907180407j:image

 李栄薫(イ・ヨンフン)という経済史学者が著したこの本については、ニュースでもちょくちょく取り上げられておりますので皆様はご存知かもしれません。これは「日本は加害者で韓国は被害者」という韓国を支配してきた歴史感に挑戦し、「反日」というものが政治によって人工的に作られたものであることを訴える書物です。

 ここでは立ち入りませんが、韓国の(日本もそうですが)歴史認識は確かに歪んでいます。この歪みを正せば、日韓が本当の意味で仲良く歩める未来を築けるかもしれません。

「そんな本読んでんの、どうせほんの一部だろ」

 そんな指摘もあるかもしれませんが、とんでもありません。この本は一時期、韓国国内でベストセラーになりました。

反日種族主義」が韓国を変え、日韓が互いを尊敬しあう平和な未来を想いながら筆を置きます。最後までお読み頂きありがとうございました。