僕の名は靖麻呂

高校生 政治厨 軽度の神経衰弱

災害は作られているのか



 皆様にちょっと変わった友人をご紹介しましょう。


2019年 10月31日 木曜日 完璧に捉えた プロがやる撮影方法 - YouTube

 彼は「石川しゃちょー」というハンドルネームでYouTubeで活動する者です。その活動は主にケムトレイルについての研究。ケムトレイルとは、人工的に雲を散布し、雨を降らせる行為というかなりぶっ飛んだ陰謀論的概念です。

 そんな研究を行う彼から「動画の視聴回数が伸びないから宣伝してくれないか」という依頼を受けまして、ちょうどネタに欠乏しておりましたわたしは喜んで拝承致しました。そうして皆様の前にご紹介致しました次第です。

 では、今回は親愛なる「石川しゃちょー」とのコラボ企画!このぶっ飛んだ陰謀論ケムトレイルについて検証したいと思います!……と行きたいところですが、いかんせんこの問題については知識が皆無のわたしです。ケムトレイルについての本も読んだことがなく、この話題だとあまり面白い記事が書けそうにありません。

 というわけで、今回はこのケムトレイルからほんのちょっとズレた問題を取り上げようと思います。

 

 では、今回取り上げるのはこちらッ!f:id:miyukiyasmaro:20191102192320j:image

「人工地震だと?……なんか胡散臭いな」

 そう思われるのがまともな反応であろうと存じますが、どうぞそうしたまともな方も、眉に唾をつけつつ是非お読み下さい。

 

■「人工地震」自体は陰謀論ではない

 人工地震とは、読んだ字が如く人工の地震のことです。陰謀論者はしばしば「東日本大震災は人工地震だった」とか「人口削減を目論む結社が人工地震で大量殺戮を行っている」といった、常識からぶっ飛んだことを述べるわけです。

 勿論、これらの主張は学術の場で議論されることは皆無ですから、陰謀論や都市伝説の域に留まります。しかし「人工地震」という概念自体は、実は表の歴史上に登場しており、陰謀論でも何でもありません。そのメカニズムは極単純。地中深くに大爆発を起こせば地震が起こります。
f:id:miyukiyasmaro:20191101171040j:image
f:id:miyukiyasmaro:20191101171102j:image
 ちょっと見辛いかもしれませんが「原爆で人工地震」とか「深夜の人工地震」といった驚くべき見出しの新聞があります。これらの記事は月刊ムーなぞではなく、天下の朝日新聞や読売新聞などの記事です。

 つい二年前も、毎日新聞はこのように報じました。

韓国気象庁は3日、北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンプクド)吉州(キルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)付近で3日午後0時29分ごろ、人工地震と推定される地震波が観測されたと明らかにした。聨合ニュースが伝えた。日本の河野太郎外相は、北朝鮮が核実験を実施したと断定した。韓国当局によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5.7、震源の深さは0キロと推定される。中国地震局はM6.3と発表した。

https://mainichi.jp/articles/20170903/k00/00e/030/202000c

 このように、人為的に地震が起こされる「人工地震」という概念自体は陰謀論ではなく、主要メディアが既に認知しているものなのです。それにも関わらず、彼らはなぜかあまり積極的に人工地震についての報道を行っていません。その為、わたしたちの脳内には人工地震という概念が存在していなかったのです。

 

■「3.11人工地震説」は狂気の沙汰か

 上のような見出しを書くと不謹慎に思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、あの震災についてもしも不審な点があれば、それを追及するのはわたしたちの義務であると存じます。わたしは決して楽しもうと思ってこの研究を行っているわけではないのです。

 わたしは先の震災を人工地震と捉えるのは、冷静に考えれば決してあり得ない話ではないと考えます。理由は二つあります。

 

一、 人工地震を起こすことは前説を見るに確かに可能であるから。

二、 国家が他国に何らか陰謀を仕掛け、攻撃するというのは歴史上認められてきたことだし、現代もそれは認知されていることだから。

 

 二については、例えば「PD(パブリック・ディプロマシー)」を調べると誰もが納得することであろうと存じます。PDとは、国家が他国の世論を扇動する行為のことです。PDを最も積極的に行っているのは中国政府と言われています。彼らは外国のマスメディアに圧力を掛けたり、外国にテレビ局を作ったりして世論を操作しようとしています。これは陰謀論ではなく、専門家の間では周知の事実です。大学ではPDを研究するところも稀にあります(本当に稀ではありますが)。

 このような陰謀を行う勢力は確かに存在するのです。従って「他国に震災を起こして成長を阻害してやれ」とする勢力があったとしても、特に不思議ではないと思うのです。

 つまり、人工地震説は物理的に、状況的に考えて、決してファンタジーではないという訳です。

 では、東日本大震災に人工地震説の余地はあるのか検証したいと思います。

 

■人工地震と自然地震は波形が違う?

 東日本大震災はどのような根拠で唱えられているのでしょうか。

 代表的な根拠は「波形」です。
f:id:miyukiyasmaro:20191102162523j:image

 普通、地震の波形にはP波とS波があります。P波は弱い横揺れの波です。S波は強い縦揺れの波です。P波はS波より早いので、被災地にはまずP波が到達し、遅れてS波がやってきます。つまり、はじめに小さい横揺れの地震が来てから、突然縦に激しく揺れ始めるというわけです。

 この小さい横揺れの地震を「初期微動」といい、その後に来る大きい揺れを「主要動」と言います。

 

 ところが、3.11陰謀論者によれば、人工地震にはP波による初期微動がないとのことです。そして先の震災の波形にはP波がなかったから、つまり人工地震なのだというわけです。果たしてこれは本当なのでしょうか。

 まず、「人工地震にP波はない」というのは概ねは正解のようです。日本気象協会という財団は「地震波からみた自然地震と爆発の識別について」というレポートで、地震と人工地震の見分け方を幾つか明らかにしました。その内の一つに「S波が発生しにくく、その振幅がP波に比べて小さくなる性質を利用」というものがあります。

f:id:miyukiyasmaro:20191102170400j:image

 人工地震にはP波がないのではなく、むしろS波が弱い(ないわけではない)というのが正確なようです。P波があまりにも強過ぎる為にそれがS波に見え、あたかも人工地震にはP波がないように見えるわけです。f:id:miyukiyasmaro:20191102191822j:image

 ちょっとややこしい話になりましたが、要するに自然地震と人工地震に違いがあることは事実です。自然地震は弱い揺れが来てから強い揺れが来ますが、人工地震は弱い揺れと強い揺れの区別が判然としないということです。

 上の太字の部分さえ抑えて頂ければ結構です。

 

■3.11の波形は人工地震の波形か

 これは3.11陰謀論を代表するといっても良い画像です。「東日本大震災 人工地震 波形図」とでも検索すれば、この画像がたくさん出てきます。

f:id:miyukiyasmaro:20191102173656j:image

 3.11陰謀論者はこの画像を提示し、「このように、東日本大震災ではいきなりS波(正確にはP波)が来た。P波(正確にはS波)はなかった」と主張するのです。

 しかし、これだけでは証拠として不充分です。

 わたしはこの波形図を友人に見せたことがあるのですが、その時に鋭い指摘を受けました。その友人は中学時代の同級生で、防災の道を志しており、震災にはただならぬ知識を持っております。友人は波形図を見ると即座に「震源地からの距離は?」と言いました。本には載っていなかったので「分からん」と答えると「じゃあこれを人工地震と判断するのは早計だ」と断言しました。曰く、波形は観測地によって異なり、震源地間近であれば自然地震であってもP波は見えなくなるとのことです。

 よく考えれば当然のことです。P波とS波は震源から同時に走り出すのです。震源から間近であれば、P波とS波はほぼ同時に来るはずです。もし例の波形図が震源地近くで記録されたものならば、P波がないように見えても当然のことです。

 

 では、ある程度震源地から遠くの波形図を見てみましょう。

f:id:miyukiyasmaro:20191102175609j:image

 こちらは震源地からおよそ400km離れた横浜の波形図です。幾つか波形図にも種類はあるのですが、共通して言えることは

一、P波とS波の違いが明瞭ではない

二、揺れが爆発してから、余震は長続きしていない

三、必ずしも「大きな揺れがいきなり爆発した」とも言えない

 この三つであるかと存じます。

 一と二は自然地震の性質に反し、人工地震の性質と一致する可能性があります。f:id:miyukiyasmaro:20191102180514j:image

 これは人工地震と自然地震の波形図を比較したものです。先にも述べた通り、人工地震にはP波もS波もあります。ただ、S波が弱い為、それがはっきり確認できないのです。その結果、「こっからここまでは初期微動、そっからは主要動」という区別が、一見するだけでは難しくなるわけです。ですから「P波とS波の違いが明瞭ではない」というのは人工地震の特徴であると言えます。

 また、自然地震はS波が来てから揺れは長く続きます。しかし、人工地震には揺れが絶頂を迎えてから直ぐに収まるという性質があります。よって二は人工地震の特徴と言えます。

 ただし、三の「必ずしも大きな揺れがいきなり爆発したとは言えない」というのは人工地震らしくない特徴です。波形図からはある程度は「小さな揺れがやがて大きくなっていった」という様子が確認できます。この小さな揺れが大きくなるまでの時間が短いのか、長いのかが問題となるでしょう。しかしわたしは素人ですから、その基準を知りません。

 

■網状に並ぶ震源
f:id:miyukiyasmaro:20191102183422j:image

 こちらは東日本大震災直後の震源地をまとめたものです。恐ろしいことに、震源地が極めて不自然に並んでいます。あたかも線を引かれた台の上に碁を並べたようです。

 これを合理的に説明するには、やはり人工地震説に頼るべきなのかもしれません。例えばこのような推理は如何でしょうか。

「3.11は電磁波を照射することによって起こされた。そのシステムはコンピューターで緯度と経度を入力して起こすものだった。この緯度と経度の指定は0.0数度ほどの単位だった。その為このような並び方になった」

 電磁波による人工地震の技術はまだ陰謀論の範囲です。しかし偶然と見なすよりから、このように考えた方がまだ納得できるのではないでしょうか。

 ただし、直線的な模様というものは必ずしも自然に存在しないわけではありません。人工物のように直線的で、実は自然な地形というものが存在します。ですから、震源地が等間隔に並んだことを根拠に人工地震説を断言することもできないのではないかと考えます。

 つまるところ、先の画像を見て自然地震と考えるか、人工地震と考えるかは、結局は感性によるでしょう。因みにわたしの感性は人工地震かなあと思うものです。

 

■あとがき

 東日本大震災が人工かそうでないかの結論は、皆様にお任せしたいと思います。わたしとしては少なくとも、3.11陰謀説は必ずしも一蹴できるものではなく、偽義として無視できないものであると考えます。

 その為、わたしは悲しいかな自然というものを懐疑的に見ざるを得ません。ぼんやり雲を眺めて綺麗だなと思いつつ、ふと「石川しゃちょーが言ってたみたいにこの雲も人工なのではないか」といぶかることがあります。

 勿論、陰謀論にのめり込んで思考停止するのは注意すべきことですが、「陰謀?あるわけないっしょ片腹痛えwwwww 」と思考停止するのもあってはならないことです。皆様の手で冷静に、学術的に真相を解明しましょう。

 人工地震説に関してそれを裏付ける証拠を提示できる方や反論がある方、その他何らかの情報をお持ちの方は是非コメントを下さい。

 最後までお読み頂き誠にありがとうございました。あなたのところへ、どうか天災が起こらぬよう祈って筆を置きます。