僕の名は靖麻呂

高校生 政治厨 軽度の神経衰弱

習近平入門!

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 我が日本のすぐ側にとても巨大な国があります。中華人民共和国です。そしてその指導者こそ習近平です。この習近平という方はどのような人なのでしょうか。

 

■ちょっと壮絶な生い立ち
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 習近平は1953年に生まれます。父は副総理大臣だった習仲勲で、恵まれた家庭でした。

 ところが1966年、時の中国の指導者「毛沢東」が文化大革命を起こします。文化大革命とは、中国の繁栄を邪魔する悪い資本主義者をやっつける戦い……という名目で、毛沢東に都合の悪い勢力を排除する為に行われた謀略でした。この影響により、当時中学生だった彼の学校は解散されます。

 まもなく毛沢東の政敵は政界から次々と追放。習仲勲もその一人で、その息子である習近平は激しい弾圧を受け、四度の投獄を経験します。

 やがて中国政府は都市部の労働者を地方に分散する政策「下放」を進め、1969年、習近平は田舎へ追いやられます。

 副総理の息子から一転、社会の激動により徹底的に落ちぶれた習近平。しかし1974年、彼は中国共産党に入党します。ここから彼は着々と浮上し、2013年三月十四日、中華人民共和国国家主席となるわけです。

 

■明を取り戻せ!

 失意のどん底から中国の指導者へ登りつめた習近平は「明(みん)を取り戻す」というキャッチフレーズを唱えました。明は皆様ご案内の通り、昔の中国の名前です(あそこは名前が変わる度に民族が入れ替わったり文化が滅んだりするので、「昔の中国」という表現は正確ではないかもしれませんが)。

 明!その別の名を「大モンゴル帝国」。明はおそらく、史上最大の帝国でした。

 では明を世界の覇権国たらしめていたものは何か。それがシルクロードです。f:id:miyukiyasmaro:20191114195215j:image

 西はローマ、東は京都まで渡る、ユーラシア大陸を包括した巨大な交易路。それがシルクロードです。多様な物や文化が盛んに行き交うシルクロードの真ん中に明は座していました。その恩恵にあずかった明は、世界の覇権を握る国力を得たのです。

 というわけで、もう一度シルクロードを作ろう!という計画こそ一帯一路構想なのです。f:id:miyukiyasmaro:20191114200520j:image

 これまで中国は、密かにゆっくりと力を蓄えていく方針をとってきました。それを習近平は、このように大胆に成長していく方針に一転せしめたのです。絶望から国家主席へ一気に駆け上がった習近平にこそ、思い付けた策と言えるでしょう。

 ……と言いたいところではございますが、実を言うと、この一帯一路という計画は元を辿るとパクりです。2011年七月に、ヒラリー・クリントンが旧シルクロード圏の国々にインフラを建設しようという構想、「ニューシルクロード」を発表しました。その翌年から中国政府は「新しいシルクロードを作ろう」という話をし始めます。翌2013年には、上の画像のような「陸のシルクロード」と「海のシルクロード」を結ぶ構想、「一帯一路」が習近平によって発表されます。よくパクりを指摘される中国ですが、この一帯一路は世界史上最大規模のパクりなのかもしれません。

 さて、一帯一路が発表されて間もなく、習近平は東アジア諸国のインフラに本格的な投資を始めました。我が国のニュースも一帯一路を取り上げたものです。

 わたしが中学生の頃、「ガイアの夜明け」という池上彰さんの番組で一帯一路が取り上げられていました。うろ覚えですが、インドかそれっぽい国、一帯一路によって新しいインフラが建設された都市に住む若者が取材を受けていました。「一帯一路でここも凄く便利になったよ。中国には感謝しかないね」これもやはりうろ覚えですが、概ねこんな感じでした。

 今年の4月には、沖縄県の玉置デニー知事が中国へ訪問した際、中国の副総理と会談し「沖縄を一帯一路の日本への入り口として活用する」などといったことを話しました。

  一帯一路によって中国はアジアを豊かにし、アジアのリーダーとなりつつあるのです。日本はこの波に遅れてはいけません。

 ……というのが多くの方の認識であろうと思うのですが、実はこの裏に、習近平の恐ろしい野望が隠されていたのです。

 

■静かなる侵略

  一帯一路によってできたインフラの一つ、ハンバントタ港を見てみましょう。f:id:miyukiyasmaro:20191116114350j:imagef:id:miyukiyasmaro:20191116114405j:image

 この立派な港の建設費用およそ十三億ドルの大部分は、習近平政権の投資によって賄われました。当時の住民は地元が潤い万々歳でしたが、彼らはこの投資の異常さに気づかなかったようです。何とその金利は最高6.3%という暴利。彼らはこれを返済できなくなります。ここからが実に悪魔的です。

 中国政府は借金を返済する代わりに、次のような取引を要求しました。港の株式70%を99年間握る権利を、十一億ドルで売却しろというのです。彼らはこの要求を飲まざるを得ませんでした。つまり、中国政府は十三億ドルで作られた = 十三億ドル以上の価値がある港を十一億ドルでまんまとせしめたわけです。

 習近平支配下に落ちたハンバントタ港はどのようになったのでしょうか。

5カ所ほどの出入り口があるが、どこにも警備員が立ち、目を光らせている。「かつて港は誰でも自由に入れたんだ。小さい頃はよく魚釣りをした。中国が来てから窮屈になった」と話すのはタクシー運転手のハトタさん(50)だ。海岸沿いに立ち並ぶ住居は空き家が目立ち、すべて港の拡大計画に伴って立ち退きを要求されたという。

(中略)

 港の正門から200メートルほど手前の地点では、ストライキを起こしている港湾労働者が集会を開いていた。僧侶も参加し、シンハラ語で「職か?死か?」と書かれた横断幕を掲げ、シュプレヒコールを上げた。

 労働者側によると、中国側に運営権が移り、地元労働者が大量解雇される危険性が生じているという。スト参加者の一人は「解雇の計画があると聞いているが、政府や中国側からは満足のいく説明がない」と不安と憤りを口にした。

 一方、港湾開発を主導したラジャパクサ前大統領の支持者からは中国側への株式貸与などで「国の財産が外国に移った」として、現シリセナ政権に抗議する活動も起きている。

https://www.sankei.com/world/news/180118/wor1801180016-n1.html

 このように、既にハンバントタ港は習近平政権の領土同然のものとなっています。

 ハンバントタ港のように、闇金じみたやり方によって国土を侵略し、ユーラシア大陸を支配する。それが一帯一路なのです。

 

■あなたも洗脳されているかも!

 とは言え、このように大胆な侵略を行えば国民からの大反発を食らい、失敗するのが普通です。そこで習近平政権はそうならぬよう、世界中の世論を麻痺させているのです。

 

 小原 (中略)中国はお金に物を言わせた工作を極めて活発に行っている。例えば、ニューヨークのタイムズスクエアの巨大なスクリーンを借り切って、中国の広告を流し続けるとか。

桒原 そうです。典型的なPD(※パブリック・ディプロマシー。他国の世論に影響を与える工作のこと)です。他にも、アメリカには「CCTVアメリカ」というTV局があるんですが、これは、二〇一二年頃に中国がアメリカ国内に作ったTV局です。

 

表現者クライテリオン 2019年7月号

(※内は三幸による)

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 このようにして、習近平は報道に介入し、都合の良いように世論を煽動しているのです。何とも狡猾で恐ろしい。

 

■日本も無関係ではない

 わたしたち日本人も対岸の火事としてぼんやりしていてはなりません。習近平による日本侵略は既に始まっています。f:id:miyukiyasmaro:20191116180417j:image

 近年、中国による日本の土地の買い占めが著しくなっています。

現在の日本では、中国人や中国系企業が日本で土地を購入するケースが激増している。具体的には、北海道を中心に水源地、土地や建物などの不動産が中国マネーに買収されていっている。2017年10月25日のレコードチャイナによると、すでに国土の2%が中国資本に買収されたとのことである。国土の2%とは、ちょうど静岡県の広さに相当する。

 

三橋貴明「帝国対民主国家の最終戦争が始まる」ビジネス社

 こうしたことについて「ただの投資じゃないか。バブルの時の日本も同じことをしていたじゃないか」と軽視する人がいます。しかし、この買い占めは単なる投資ではありません。表では中国系企業や中国人が土地を買っていることになっていますが、それを操っているのが習近平であることは疑えません。

すでに、滝川市陸上自衛隊滝川駐屯地が一望できる山林を中国系企業が買収。ニセコ町の隣町である倶知安(くっちゃん)町の陸上自衛隊倶知安駐屯地に隣接する約100ヘクタール(東京ドーム21個分)の土地も、中国系企業に買収された。水源地と違い、自衛隊基地周辺の土地については規制する条例すら制定されていない。
https://biz-journal.jp/2017/09/post_20428_

2.html/amp

 単なるビジネスの目的で基地の間近に土地を爆買いするなどということがあるでしょうか。この買い占めは間違いなく「国家戦略」であり、侵略なのです。

 

■『金 対 愛国心』の世紀

 お金の力で国が侵略されるなどということは、今に始まったことではありません。少なくとも20世紀からずっと、そのようにして世界の歴史は動いてきました。アメリカの軍産複合体はその代表例と言えるのでしょう。ここでは詳しく立ち入りませんが、金持ちがお金で国民の正義を買い、戦争を起こす為の資本としたのです。

 しかし、既にこうした体制は変わりつつあります。世界中で金の力に抵抗し、愛国心を掲げる動きが始まっています。

パキスタンインダス川流域のディアメル・バハシャダム建設に対し、中国側が申し出ていた140億ドルの融資を拒否。インダス川パキスタンの穀倉地帯を流れる大河である。インダス川関連のインフラを支配された日には、パキスタンは中国の属国と化すことになる。

 ネパールは約25億ドル規模の水力発電事業について、事業取り消しを決定。

(中略)

 ミャンマーは北部のカチン州ミッソンにおいて、中国が主導する36億ドル規模のダム建設再開について、明確に拒否の意向を示す。ミッソンのダムは、ミャンマーの旧軍事政権が中国と合意したプロジェクトである。ダム完成の暁には、発電された電気の9割が中国に輸出されるという、露骨な「帝国主義」モデルであった。

 アジアの一部の愛国者は、金による侵略に抵抗すべく既に立ち上がっています。f:id:miyukiyasmaro:20191116175035j:image

 このように世界を「金」と「愛国心」の陣営に二分して見てみれば、トランプ大統領は以外にも愛国心の陣営に分類できるのではないかと考えます。彼は大統領選挙の際、誰からの献金も受け取らず、自腹での選挙活動を全うしました。企業や投資家をスポンサーとする過去の大統領とは違い、国民の為の指導者となったのではないでしょうか。現に彼は対中貿易戦争を指揮しているのです。アメリカの一部の金融資本は中国と深く繋がっているので、対中貿易戦争は「金」の勢力からすると都合が悪いはずです。

 さて、金対愛国心の対決はどちらが勝つのでしょうか。とりわけ習近平対アジアの愛国者及びトランプ大統領の対決の行方はどうなるのでしょうか。

 そしてあなたはどちらの陣営につくのでしょうか。「今だけ金だけ自分だけ」の民として「金」の勢力に立脚しますか。祖先の名誉の為、家族や友人の幸福の為、子孫の未来の為に、自分なりの抵抗を続ける「愛国心」の勢力に立脚しますか。全てはあなた次第です。最後までお読み頂きありがとうございました。