渋々自民党に入れた人々へ
はじめに
本稿は安倍政権のままでは日本が没落していくという所見を持ち、その上で自民党を支持せざるを得ないと嘆いている者に宛てたものなので、「自民党には入れねえ!」及び「自民党のどこが悪いのだ」という考えの者が読んでも有意義じゃないよ。
安倍政権の政治に問題点があるという所見は、今では保守を名乗る階層にも広まりつつあるだろう。特に水道民営化と消費増税は、自称保守からの評価が低いように思われる。
それでも尚、自民党を支持する者の考えはご案内の通り、
「それよりもマシな政党がない」
というものである。
私はこの認識を懐疑する。
七年間の安倍政権による政治がもたらしてきたものは何だったのか。そしてこれからもたらすであろうものは何か。それらを考えると、私は自民党に入れざるを得ないという評価にとても首肯できない。批判を恐れずに言うと、皇室への畏敬を持たず、安全保障問題を軽視し、戦後レジームと習政権の犬であるあの日本共産党に票を投じる方が、自民党に票を投じるよりもよっぽどマシであると、私は考えている。従って、もし読者の選挙区に自民党の議員と共産党の議員の二人が立候補していれば、共産党の議員を選んだ方が良いと私は言う。
自民党は保守を名乗り、共産党はリベラルを名乗っているが、結局は同じことだ。自民党か共産党かという議論は、即ち「アメリカに日本を売るか、中国に日本を売るか」という議論であり、「カレーの味がする糞尿を食らうか、糞尿の味がするカレーを食らうか」という話だと言っても差し支えない。
そして、私はそのカレーの味がする糞尿から、敢えて糞尿の味がするカレーを選ぶべきだと言っている訳だが、この選択が実に重要なのだ。
もし自民党が共産党に大敗したなら、安倍首相や自民党の幹部は相当の衝撃を受ける筈である。そうして、次の選挙で勝つよう、必ず反省する。国民の声を理解する訳である。
自民党か、あるいは他の政党が読者の考えに一致した政策を掲げ出したら、次の選挙ではその党に政治を任せるべきである。「また裏切られたらどうするのだ」という反論があるかもしれないが、その時は次の選挙で落とせば良い。これを繰り返すことで、日本の政治は何れ、至って誠実なものになる。権力に貪欲な政党なら尚のことである。
国民を裏切った時、敗北を決定させる国民の前で、公約を反故する与党など存在するだろうか。
安倍政権は数々の公約を破ってきた訳だが、これが長期政権となったのは、国民がとるべき態度をとらなかった為でもある。
安倍政権に変わって欲しいと思うならば、彼らに衝撃を与えよ。民主党でも、維新でも良い。共産党でも構わない。しかし第一に自民党に入れるべきではない。
自民党を愛するなら、そしてその上で失望しているというなら、読者自身の手でそれを彼らに伝えるべきだ。
刺激なくして反省などない。