奇矯なる候補者 三選
さて、参院選もいよいよ終わりへと近づいております。
選挙後の楽しみといったら、やはり開票結果に尽きるのではないでしょうか。「国会の政党はどうなるか」とか、「自分が投票した人は受かるだろうか」ということで手に汗握りながらテレビを見つめるのです。
というわけで、今回はその楽しみがさらに増すよう、興味深い候補者を幾人か取り上げてみます。
あなたの選挙区の人もいるかもしれません。
その一 平塚正幸氏
選挙区 千葉
政党 NHKから国民を守る党
職業 YouTuber
まずN国党の候補者であるということ、そしてこの画像の出で立ちからして、変わった印象があります。シャツにプリントしている数字はやはり自身のマイナンバーです。マイナンバー制度の危険性を知らしめるべくこうしているとのことです。
では、平塚さんの政見放送を聞いてみましょう。
まずはじめに、皆様にお伝えしなければならないことがあります。それは、「NHKから国民を守る党」には絶対に投票しないで下さい。そして今回の選挙に限り、わたくし、平塚正幸にも絶対に投票しないで下さい。
驚くべきことです。前述の通り、彼はNHKから国民を守る党に属する者であります。自分の所属する政党に投票しないで下さいとはどういうことでしょうか。また、自分にも投票しないで下さいとはどういうことなのでしょうか。
実はN国党は「アンチ枠候補」というものを実施しています。これは、党員の意見を多様にさせるべく、N国党に対して批判的な方を立候補させるという取り組みです。アンチ枠候補の選挙活動資金、供託金(選挙に立候補する際、国に預けなければならないお金。一定の票数をとらなければかえってこない)は全てN国党が奢ります。
平塚正幸氏はそのアンチ枠候補として今回立候補したわけです。が、議員になったところで、N国党に所属する以上は力を発揮できないだろうと考えておられます。自分には投票するなというのはそういうわけなのです。
なんだか無茶な印象がする方ですが、その主張はよく聴いてみると理路整然としているようでもあります。
N国党が掲げる公約、NKKのスクランブル化を図(はか)る政策は大変危険です。公共放送をなくしてしまっては、国会での重要な動きがより報じられず、政治離れがますます加速し、民主主義の根幹である知る権利が脅かされることになります。
NHKから国民を守る党 平塚正幸氏の演説より
平塚正幸氏は、YouTubeにて「さゆふらっとまうんど」というYouTuberとして活動しております。そこで自身の考えを熱く真面目に語っておりますので、もしご興味がございましたら是非調べて頂きたいと存じます。
その二 町田紀光氏
選挙区 栃木
政党 NHKから国民を守る党
N国党の立候補者は平塚氏も然(しか)り、変わった人が多いです。政見放送では奇抜なパフォーマンスが繰り返され、特に若者から注目を浴びています。過激な発言を連発する候補。独特の口調でまくし立て、終盤において「NHKをぶっ壊す」と連呼する候補。あるいは徹頭徹尾「NHKをぶっ壊す」と連呼する候補。はたまた一言も喋らず、沈黙でお茶の間を支配し、微笑をたたえる候補。全く無茶苦茶な政党です。
しかし、この町田紀光(としみつ)候補は、NHKの問題点を冷静に、そして真剣に語る唯一の候補です。
この見た目からは想像し難いことですが、N国党の主張を詳しく知りたいという方には、ぜひ町田紀光さんの演説を聴いて頂きたく存じます。
その三 野原善正氏
選挙区 東京
政党 れいわ新選組
これは、「れいわ祭」というイベントにおいて、野原善正(よしまさ)氏が発言したことです。
政治改革をするための手っ取り早い方法は公明党を潰すことです。
本当、言葉は悪いんですけどね。言葉は悪いんですけど、本当、潰さなければならない。
驚くべきは、野原氏は創価学会の信徒であるということです。ご存知の通り、公明党はこの創価学会を支持母体とする政党です。
創価学会では、公明党に投票することは功徳(くとく)とされております。そういうわけで、創価学会員は一様に公明党万歳の状態です。あなたのお電話にもそろそろ、学会員のお友だちが「公明党にお願いね」とかけているかもしれません。
その創価学会の信徒である野原善正さんが「公明党を潰さなくては」と発言するのは、なんとも珍しいことではありませんか。
なぜ公明党を潰さねばならないのかというと、それは公明党が、創価学会の教えに反しているからということです。
公明党の前身であるですね、公明政治連盟を池田先生(創価学会を開いた池田大作という人)が立ち上げられた時にですね、こう言われました。「将来、公明党が政権になびいて立党の精神を忘れた時には、そして国民をいじめるようになった時には、その時には遠慮なく潰していいよ」っておっしゃられたんです。
(中略)
創価の変革。これですべて日本が変わる。池田門下生、今すぐ立ち上がれ。
前身、前身、前身。
前身、前身、前身。
以上でございます。ありがとうございました。
https://youtu.be/PPEE3jdce-Aより
※()内の解説や中略は三幸によるもの
野原氏の立候補するのは東京区で、この選挙区には公明党の党首である、「山口那津男(なつお)」氏も立候補しております。
公明党党首と革命を唱える離反者の対決。実に熱い戦いであります。
あとがき
最後までお読み頂きありがとうございました。
あなたの選挙に関する興味や関心が、もし少しでも高まれば、極めて幸いであります。
明日はようやく投開票です。お気が向きましたら、私がご紹介した候補者はどうなったかなどをお楽しみ下さい。
そして、まだ投票に行かれていない人は是非行きましょう。自分の意思が時代の動きとなるのです。なんと素晴らしい機会ではありませんか。