僕の名は靖麻呂

高校生 政治厨 軽度の神経衰弱

参院選が面白い

 各選挙区で立候補者が公示され、いよいよ選挙活動が盛んになります。懐かしく喧しき選挙カーたちが我々の街に再びやってくるわけであります。

「だから何だよッ!どこに入れても同じだろうがッ!俺には関係ねぇーッ!」

 などといった指摘があるかもしれません。

 というわけで、今回は歯間ブラシをしただけで口中が血塗れになった経験を持つこの三幸靖麿呂(仮名)が、参院選を100倍楽しめるよう、その肝点を解説したいと存じます。なんたって今年はマジに面白い様相を呈しておりますから。

 

・新機能!「特定枠」

 今回の選挙(選挙区選挙)には新機能が追加されました。その名前は特定枠。優先的に当選させる人を特定する機能です。

 と言っても訳が分からないので、例の拙劣なるイラストによって紹介してみましょう。

 これは「保健体育から子供たちを守る会」という僕が二秒で思いついた政党の選挙結果です。

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 左はこれまでの普通の選挙。党の中で、票数をたくさん得た人から順番に当選していきます。まあ当たり前ですね。この場合、二人の立候補者が当選しました。

 では、特定枠という新機能を使うとどうなるのか。仮にA候補を特定枠に入れると、A候補は優先的に当選します。だから、優先順位は一位となる訳です。したがって、A候補は当選、その次にD候補が当選。しかし、本来ならこの党は二人しか当選してなかったので、三位以降は落選。

 これが特定枠です。

 党に「この人にだけは当選してほしい」という思いがある時、この機能は便利です。但し、もちろんそれは民意に反する場合もあります。票数の少ない人が多い人よりも当選する場合があるのですから。

 因みに今回の参院選では、「れいわ新選組という新しい政党が早速使っています。f:id:miyukiyasmaro:20190706113820j:image

(特定枠のふなごやすひこ候補(左)と木村英子候補(右)*1)

 

・個性豊かな新キャラ

 大体政治に失望されている方というのは、既存の政党に辟易(へきえき)とされている方がほとんどであろうと思います。そういう方にこそ、新興勢力に注目して頂きたい。花壇の植物が腐ったら、それを引っこ抜いて新しい種を撒くしかないのです。もちろん種はすぐには開花せず、しばらく寂しい花壇となりますが、腐った植物を放置するよりは断然マシではありませんか。

 

・ぶっ壊す!NHKから国民を守る会」


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(N国党のホームページより*2)f:id:miyukiyasmaro:20190706160040j:image

(立花孝子 公式YouTubeチャンネルより*3)

NHKをぶっ壊す!」というスローガンをNHK政見放送で連発した男、その名も立花孝志を党首とする通称「N国党」が、遂に国政への挑戦を行います。

 驚くべきはその兵数。全国の選挙区のうち37の選挙区にてN国党党員が立候補しております。因みに僕の選挙区にもN国党が立候補しております。

 この党はその名の通り、NHKの強制的な料金の徴収を批判しており、スクランブル放送に改めさせるべきだと主張しております。スクランブル放送は、要するに見たい人だけがお金を払って見る。見たくない人は妨害電波を送って見れないようにするという仕組みです。

 ただ、もしそれでNHKがぶっ壊れてしまったのなら、「大河ドラマ」や「進撃の巨人」を見ている人は大いに困ることでしょう。私としては何とも言い難いところです。

 いやちょっと待てよ、

 

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(N国党のホームページより*2)

 

「政策」がない!政党のホームページのメインメニューには必ずといって良いほどある「政策」の項目がない!

 まさか、NHKのことしか頭にないということなのか!?

 もしN国党が与党にでもなったら(あり得ないことではありますが)、経済はどうなるのでしょう。外交はどうなるのでしょう。社会保障はどうなるのでしょう。

 これ如何に。

 

・略称に死が入るとは!「安楽死制度を考える会」

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(安楽死制度を考える会ホームページより*4)

 N国党と同じく、名前さえ見れば説明の余地なしの政党です。「健康至上主義」(健康であることが一番だという考え方)の為に、本来なら旅立つべき魂を延命装置の中に囚われる。こんな社会を変えるべく本党は立ち上がったわけです。

 

 生を受けたからには、必ず誰もが「死」という局面を迎えます。そうであれば、尊厳のある生き方をし、尊厳のある死を迎えられる安楽死制度という、人生の一つの選択肢があっても良いのではないでしょうか。

安楽死制度を考える会 ホームページより*4)

 

 因みに僕は安楽死制度に賛成です。死は誕生と同じくらい美しくあるべきです。それを歪めてしまうような事はまるで嘘です。生命を重んじるからこそ、健康至上主義の檻を破壊すべきです。

 美しき生と死を私達の手の中に。

 安楽死制度を考える会をよろしくお願い致します。

 

 と言いたいところなのですが、やはりN国党と同様、政策が安楽死制度以外にない。これ如何に。

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 (安楽死制度を考える会 ホームページより*4)

 

 因みにNHKにおける「安楽死制度を考える会」の略称は「安死」。なんだか不吉な感じがしますね。他の略し方、なかったのかな。

 

肉球でござる!「れいわ新選組


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(れいわ新選組ホームページより*5)

 さあ皆さんお待ちかねのれいわ新選組でございます。以前、私は本党を紹介したことがありました。が、あんな乱雑な文を参照しろとは言い難いものがありますので、再びできる限り分かりやすく解説していきます。

 まずは本党の多くの政策を、スカッと幾つかのタイプに総括して紹介してみます。

 

タイプ1 経済を良くする為の政策f:id:miyukiyasmaro:20190713152258j:image*6

・消費税は廃止

・空き家を安い家賃で住める公的住宅に再活用

奨学金政令

最低賃金1500円 不足分は政府が補償

・公務員を増やす

・不景気のうちは一人当たり三万円給付

・公共事業をやりまくって日本を元気に

 

 これらに共通しているのは、「我々国民にお金をあげる政策である」ということです。詳しくは別の機会で解説したいと思いますが、国民にお金をあげると景気が良くなります。

 問題は「そんなお金どこにあるんだ!」という指摘に尽きると思いますが、ないものは作れば良い。れいわ新選組は、国債を発行して新しいお金を作ります。

 ちょっと馬鹿馬鹿しく思われるかもしれませんが、僕としてはこれが実に理にかなっているのです。

 それは、僕の過去の投稿を参照して頂けるときっと理解できると存じます。

 まあ皆さんにそんな手を煩わせるというのもちょっと申し訳ないですし、本党の党首、山本太郎党首の説明をお聞きして頂いた方が早いかもしれません。以下引用。

「消費税廃止?そんなの無理だよ」あなたはそう考えましたか。実際に消費税廃止した国ありますよ。マレーシアです。マレーシアは法人税の次に税収の多かった消費税を廃止した。高級なサービスなどを利用する時にかかる金持ち向けの税制を復活させました。なぜマレーシアでできたことが日本でできないって言うんでしょうか。
(中略)
「消費税なくしたら社会保障どうするんだよ」だまされないで下さい。消費税を廃止した分はすべて社会保障の充実と安定化に使うと政府が約束した。2014年4月から、5%から8%に消費税は増税された。答え合わせをします。3%の税収で8兆円程度になりますけど、その内社会保障の充実に使われたのは、たった16%のみ。消費税を引き上げる一方、現政権は社会保障を4兆円以上削っています。
NHK 令和元年参議院選政見放送
れいわ新選組 山本太郎党首の演説より*12

 

 ともかく本党は、「お金がないから増税」ではなく、「お金がないなら即時作る」という考えです。どの政策も予算が整い、より円滑に進むであろうということは確かです。

 

 

タイプ2 危機に備える政策f:id:miyukiyasmaro:20190713152249j:image*7

・公共事業をやりまくって日本を丈夫に

・復興や防災に詳しい人たちを集結させて防災庁創設
原発を廃止して火力と再生可能エネルギー

 地震に備え、全力で対策を講じます。現在、高度成長期の頃にオラオラ作りまくっていた道路や橋が老朽化を迎えています。これを丈夫にすべく、新しく作り直すわけであります。また、堤防などの防災施設も新たに建設します。このように、国を丈夫にすることを「国土強靭(きょうじん)化」と呼ぶわけですが、本党がやろうとしているのはまさにこれなのです。

 また、地震津波で事故が起きたら取り返しのつかないことになる原発は廃止する。

 今後確実に起こるとされている南海トラフ地震や首都直下型地震に備え、被害を減少させます。

 

タイプ3 日本が大人になる為の政策f:id:miyukiyasmaro:20190713152238j:image*8

日米地位協定の改定
・沖縄・辺野古基地建設は中止

 

 既にご存知かもしれませんが、日本はアメリカの子分のような存在です。対等な関係でないからこそ、好き勝手やられているわけです。

 そして、「手強いアメリカがおいそれと日本の反抗を許してたまるか!」という指摘もあるかもしれません。そういう方には、是非本党のホームページをご覧頂きたいと思います。アメリカ側が納得するように、日本はどのように交渉を進めるのかが、きちんと書いてあります。本党が日本の独立を可能にするか否かは分かりませんが、理想を実現させる為にきちんと脳ミソをつかっているということは確かだと感じます。その点は、理想を叫んでばかりの党とは違うのです。

 

タイプ4 反自由・グローバル主義の政策
・TPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、種子法、国家戦略特別区域法、派遣法、これらの全てを見直す

 

自由主義

グローバリズム

 何となく爽やかでかっこいい言葉です。それに比べて、

反自由主義」

反グローバリズム

 何だか過激派みたいだなあ。そんな印象がします。

 しかし、自由主義グローバリズムも、実は過激です。自由というものをとことん突き詰めれば、「北斗の拳」のような世紀末に辿り着きます。力を持つ者しか利益を得ず、力無き者は虐げられるばかりの世界です。

 グローバリズムも、とことん突き詰めれば「日本」なんてものはなくなります。あらゆる国々の方々に自国のように暮らして頂ける為には、日本の文化や制度、独自の情緒を少しずつ破壊するしかない。そして、徹底的な意味で「世界が一つに」なった頃には、日本が持つ個性なんてものはほとんど消えてなくなります。

 もちろん、これらは飽くまで極端になった場合の話です。しかし、現在の日本の自由主義グローバリズムは、実にヤバい状態であると言えます。そして、上記のような状態に向かわんとして恐ろしい勢いで加速しています。これも詳しくは別の機会に述べる予定ですが、本党には常識を疑う能力があるということは確かです。

 

タイプ5 人権を大事にする政策

原発事故による被災者・被害者への支援の継続、拡充

障がい者への「合理的配慮」(「介護が必要な人」を一人括りにし、同じ支援を行うことで本当に必要とする支援が受けられない場合がある。これを改革する)

・DVによる暴力の定義と保護対象を拡大
児童相談所の質を上げ、保護についての判断は第三者としての裁判所が行う
・里親への研修、サポート、処遇を大幅に改善

・保護する子供にはとことん支援する(具体的には、高校・大学等の授業料や諸経費、運転免許取得費用、賃貸契約、雇用契約、携帯電話契約、継続的に子どもの保証人ないし保護者を務める人を指定)

 

 普通の政党なら「人権を守る社会を目指します!」などといった曖昧な文章で片付けてしまうものです。しかし、「どのようにして解決するのか」という一番肝心なところを、本党は考えています。そもそも、「実態はどうなのか」「その原因は何か」ということを分析しています。 上述のものは飽くまで三幸による要約に過ぎず、ホームページにはもっとぎっしり書いてあります。

 よく「政治家は口だけだ」と言われますが、れいわ新選組はその「口」に誠意が滲んでいるのではないでしょうか。

 

タイプ6 獣権政策🐾

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・動物愛護

 

 まさか!これが肉球に込められた意味だったのか!(飽くまで三幸による憶測)

 ペットショップで売れ残った動物が、毎日毎日殺処分される。想像するだけで胸が痛みませんか。僕には野良猫の友だちがいますが、彼女の仲間がこうしている間にも殺されているとふと思うことがあります。とても悲しい気持ちになります。

 犬や猫だって感情があります。魂があります。決して「物」ではありません。

 もっとも、生き物とは犬や猫だけでなく、牛や豚など、我々が生きる為には頂かざるを得ないものも含みます。その為、飯を食っている分際で動物愛護など詭弁だという主張もあります。

 しかし、それでも命は大切にしたい。日々何者かを殺している罪深い命だからこそ、でき得る限り誠意を持って生きなくてはならない。私はそう思います。

 

 これが、れいわ新選組です。もしかするとお気づきかもしれませんが、僕の支持政党です。至って真実を書いたつもりですが、本党に有利になるような、偏ったものである可能性は僕自身にもなかなか否定できない。ですからもしご興味があればおググり下さい。

日本を守る、とは
あなたを守ることから始まる。

あなたを守るとは、 あなたが明日の生活を心配せず、人間の尊厳を失わず、
胸を張って人生を歩めるよう全力を尽くす政治の上に成り立つ。

あなたに降りかかる不条理に対して、
全力でその最前に立つ。
何度でもやり直せる社会を構築するために。

20年のデフレで困窮する人々、
ロスジェネを含む人々の生活を根底から底上げ。
中卒、高卒、非正規や無職、障害や難病を抱えていても、
将来に不安を抱えることなく暮らせる社会を作る。

私たちがお仕えするのは、
この国に生きる全ての人々。

それが、
私たち「れいわ新選組」の使命である。

(れいわ新選組ホームページより*5)

 

 

・陰謀に立ち向かう!「オリーブの木


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 本政党の政策はご覧の通り。
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オリーブの木ホームページより*10

 一貫して言えることは、「国民を支配するあらゆるものに立ち向かう」ということです。

 お金や領空をぶん捕るアメリカ、重税を課せられ貧困に喘ぐ庶民を尻目に、優遇措置を受ける大企業。年金や税金で天下りし、私腹を肥やす官僚。

 こうした一方的な暴力、搾取を是正することが本党の目的と言えます。

 まあ僕の拙劣な文章よりも、オリーブの木代表、「黒川敦彦」さんの熱意の込められた演説の方が参考になろうかと思います。この演説には大変重要な情報が込められておりますので、以下引用。

 

「働いても働いても豊かにならない」そういう空気が日本中に蔓延しているように思います。その理由ははっきりしています。

 戦後七十年も経ったのに、未だに日本はアメリカの言いなりで、日本はアメリカの植民地のような状態になってしまっています。日本は米国債を世界で一番保有している(※アメリカに一番お金を貸している)国の一つですが、この米国債を実質的に売ること(アメリカにお金を返してもらうこと)ができません。

 つまりこれは、日本国民のお金をアメリカにプレゼントしているということなんです。(中略) ゆうちょ銀行の貯金のうち約百兆円、年金基金の六十三兆円もが、米国債や、アメリカの金融商品を買うことに使われています。(中略)つまり、日本国民のために使われるべきお金が海外に流出しているのですから、国民は貧しくなってしまいます。

 アメリカにはウォール街というところがあります。ウォール街を牛耳っているのは、国際金融資本と呼ばれる人たちです。彼らは私たちが信じられないような、多額の資金を運用する金融機関です。具体的には、ロスチャイルド、モルガン、ロックフェラー、この三つの金融財閥は、アメリカの中央銀行FRBの設立に関与していると言われています。

(中略)

 アメリカとけんかしたいってことじゃないんです。

 アメリカ国民のためにも、日本国民のためにも、全くなっていないマネーゲームに狂う国際金融資本の暴走をとめたいということなんです。

 

NHK 令和元年参議院選政見放送

オリーブの木 黒川敦彦代表の演説より

 

(※)内は三幸が解説したもの。*11

 

 如何でしょうか。我が国の多額の血税を、毎年アメリカに献上する。そんなことをしておきながら、「お金が足りないから増税だ」などと政府は言うのです。腹立たしい話ではありませんか。

 黒川代表は、「国際金融資本」とか、「ロスチャイルド、モルガン、ロックフェラー」などについて言及して、それらによるマネーゲームの暴走を止めたいとしています。陰謀論などに詳しい方はご存知かもしれませんが、これらについて触れると消されるなんて話もあります。こうした考えは取るに足らない都市伝説としてよく一蹴されますが、ひょっとしたら事実かもしれない。僕の知識では何とも言えませんが、信じるか信じないかはあなた次第です。

 ただ、金持ちがアメリカの政治を支配しているというのは事実でしょう。アメリカでは、献金についての規制が皆無です。つまり、企業がどれだけ政治家にお金をあげてもOKだということです。これで健全な政治が行われているとしたら奇跡としか言いようがないでしょう。

 金持ちはアメリカを支配していて、アメリカは日本を支配している。この世界観自体は正しいかと存じます。

 いずれにしろ、このオリーブの木は、日本に対する悪者の支配に対抗することを全面的に掲げております。

 

30年ぶりに復活!労働者党f:id:miyukiyasmaro:20190713144924j:image

 読者の皆様、三十年前のことを覚えていますか?僕は覚えておりません。まだ生まれていないものですから。本党の前身は「社会主義労働者党」といい、三十年前に消え去ったのですが、満を持してこの参院選にて復活。化石が蘇ってくるような不思議な状景です。

 労働者党の一番の特徴は「社会主義」を前面的に掲げていることです。

 

本日の政治経済用語

社会主義……私有財産(個人的に持っているお金とか土地などの財産)を国が管理して、平等に分配する考え。

 

 因みに「社会主義共産主義だよね」という認識がありますが、この二つは微妙に違います。社会主義は国民のお給料を平等にするのに対し、共産主義はさらに「お給料を何に使うか」ということにも口出しします。が、まあこの点については覚えなくても結構でしょう。

 現在の日本は格差が広がっています。強い企業はどんどん豊かになり、一般的な我々国民の生活は逼迫(ひっぱく)していくばかりです。この不平等を是正し、平等な社会を築くべく労働者党は立ち上がったのです。しかし、

だからって社会主義は言い過ぎだろッ!

 皆様にも想像して頂きたいのですが、社会主義国家では、何をどう頑張っても給料が同じなのです。あなたが人一倍頑張って働いても、そのお給料は手抜きして働く人と同じなのです。それは本当に「平等な社会」と呼べるのでしょうか?頑張っても頑張らなくても給料が同じなら、サボる人が出てきます。手抜きをする人が出てきます。新しい発明をしようとする人もいなくなります。このような問題があったので、かつて存在した社会主義国家は皆崩壊したのです。

 

 僕が思うに、本党は本当に(駄洒落ではありません)物事を考えていないのではないかと思います。明確なデータや、詳細な手段は言わず、安倍さんの批判と「労働者の解放」といった理想ばかり唱えています。

 理想も大事ですが、その前に厳しい現実が立ちはだかっているから、なかなかうまくいかないのです。政治家とは、その現実と闘う力を持っていなければならない。本党にその素質があるとは到底思えません。

 何より本党は、「天皇制の廃止」などとふざけたことを抜かしています。皇室の方々に八つ当たりをして一体何になるのでしょう?

 

・あとがき

 どうでしょうか。何か興味のある政党はありましたでしょうか。この投稿によって政治に関心を持って下さる方や、知識を深められた方がいらしたら心より幸いです。

 最後までお読み頂きありがとうございました。どうぞ選挙権のない私めの変わりに投票して下さるよう、お願い申し上げて筆を置くとします。

 

 

[出典及び画像引用元]

*1 https://youtu.be/ozvdWdVpTMU

*2 http://nhkkara.jp/s/index.html

*3 https://youtu.be/BYZ_Wx_xwq8

*4 http://honshitsu.org/

*5 https://www.reiwa-shinsengumi.com/

*6 https://images.app.goo.gl/TZQjD9diKaNACuJX8

*7 https://www.google.com/imgres?imgurl=https%3A%2F%2Fwww.pakutaso.com%2Fshared%2Fimg%2Fthumb%2Faozora0729IMGL8767_TP_V.jpg&imgrefurl=https%3A%2F%2Fwww.pakutaso.com%2F20180836213post-16953.html&tbnid=3-niSihrNV0hlM&vet=1&docid=PDywIR9pR8bVsM&w=1600&h=929&hl=ja-JP&source=sh%2Fx%2Fim←あまりにも長い

*8 秋本治こちら葛飾区亀有公園前派出所 51 ハワイアンパラダイスの巻」集英社

*9 赤塚不二夫「おそ松くん全集 15 ぼくらのクラスは先生が二人」曙出版

*10 https://oliveparty.jp/

*11 https://youtu.be/e6UVYdH-G_o

*12 https://youtu.be/V9zvlpOE1TA*12

週刊誌が嫌いです

 愚民とは、結論から言って不幸な人々のことです。銀行預金や学歴、顔の良さ、友達の数、腕時計や車の高さなどをめぐって血眼になって争い、誰かが不幸になるとよろこび、出所不明の噂を根拠とする「正義」を振りかざして大勢で誰かをいじめる人たちのことです。本当の幸せは数値化できるものではなく、誰かが決めることではなく、誰かの不幸や失敗などでもありません。だから愚民は幸せになれないのです。

 近頃の週刊誌などは、愚民が愚民であり続ける為に仕事をしているように思えてなりません。芸能人の不倫(疑惑)やアイドルの恋愛(疑惑)、そして特に皇室の方々への誹謗中傷。

 週刊新潮悠仁殿下への根拠なき侮辱を行っていることには憤りを感じてなりません。どんな報道かというと、それはあまりにも馬鹿馬鹿しいのでここではしませんが、冷静に見れば真実ではないことだけは誰にでもお分かり頂けることでしょう。

 少なくとも、「真実」ではないものが人を救うことはないと考えます。人間の癖に真実などと言うのはおこがましいことかもしれませんが、あのような上っ面な記事に、幸福を我々に示すような真実などあろうはずがありません。さもなければ、幸せに似た全く空虚な感覚に浸り続けるしかなくなります。

 勿論、たかだか十六年の薄弱な経験しか持ち合わせていない僕が完全なる「真実」を知っているわけではありません。しかし、真実を知るべく自己否定を続けてきたこの人生は、少なからず僕に思想とか主義などの財産を与えてくれました。こういう財産こそ、真実の断片であり、幸福を形作るものです。もっとも、この財産もいつか自己否定の為に手放す日が来るかも知れません。しかし、そもそも真実に向かう姿勢こそが重要なのです。空虚な嘘に抵抗する姿勢、尊厳のある姿勢こそが重要なのです。

 まあ、真実だの思想だの大袈裟なことを書いておりますが、こうしたものは皆様の近くに宿っております。小説、絵画、音楽、漫画、アニメ。こうしたものたちが、少しずつ我々に真実を伝えてくれているのだと思うのです。

 愚民とは、たまたま「幸福」の意味を知らなかった人々のことです。もし可能なら、私が持ち合わせる真実のほんの断片を、私なりに伝えていきたいです。いつか私が救われたように。

 

 何か気取った文ですが、僕の癖なのでご容赦下さい。

 本稿とは関係のないことですが、僕はほぼ毎週土曜日に駄文を投稿しておりました。が、テスト期間につき、来週はお休み。もし毎週楽しみにして下さっている優しい方がいらしたら申し訳ございません。

 最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。もしよろしければ、二週間後再びお会いしましょう。では。

 

 

「結果」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ……………

近道した時真実を見失うかもしれない

やる気もしだいに失せていく

大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている

向かおうとする意志さえあれば

たとえ今回は犯人が逃げたとしても

いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな

 

荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険 37」

集英社文庫より

 

「経済がいい」って何? 後編



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(「ドラえもん」藤子・F・不二雄 小学館第21巻より)

前編のあらすじ

 「経済が良い」とか、「景気が良い」というのは一体何のことなのでしょうか。株価やインフレ率(物価)など、景気の基準とされていた数字は、実は経済の良さを表すものではありませんでした。

 なぜなら、株価も物価も、私たちの豊かを保証してくれないからです。

 そこで、実質賃金(物価の影響を加味した賃金)を経済の良さとする考えが現れました。実質賃金こそ、国民の真の豊かであると考えられるからです。

 ところが、その実質賃金を基準とする考えにも鋭い異論を呈する方もいます。その代表が、経済評論家の上念司さんなのであります。

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(↑上念司さんhttps://mobile.twitter.com/smith796000より)

 上念司さんは実質賃金を基準とする考えを論破しました。そして、失業率や就業者数(働いている人の数)などの「雇用」こそが経済の良さだと唱えました。

では、経済の良さとは「雇用」だったのだ!……かと思われましたが、

 この主張に異論を唱える経済評論家が現れます。

それが、三橋貴明という方だったのです。


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(↑三橋貴明先生https://images.app.goo.gl/SQqGEDNUH4pJh3Di7より※結構昔の写真ですが、この頃が一番イケメンなので採用)

 

第七節 ちょっぴり変人!上念三橋

 早速どのような反論が展開されるかを見たいところですが、ここで上念さんと三橋さんがどのような人物なのかを確認したいと思います。物語を理解する上で、キャラクターを覚えることは重要だからです。

 

上念司

経済評論家

1969年5月4日生まれ 東京都出身

 

 進学塾の取締役をしていた彼は、「日本の景気が悪いのはなぜか」という疑問を持ち、独学で経済の勉強に没頭します。

 今ではテレビやラジオ、ネットにて経済を論じております。

 彼には経済の他に、もう一つ専門分野があります。それが「ゾンビ」です。

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https://mobile.twitter.com/yumi_suginami/status/1035131248237137920より)

 詳しくは是非ググって下さい。

 

 三橋貴明

経済評論家 経世論研究所長

1969年11月22日生まれ 熊本県出身

 

 経営コンサルタントをしていた彼は、情報を集め、分析することが得意でした。この能力を活かし、2chで経済を論じていきます。すると凄まじい好評を博し、その活躍が出版社の目にとまって作家デビュー。三橋さんは今でも人気者で、多くの人に影響を与えています。

 三橋の専門分野は実に広く、「歴史」「地政学」、そして「アニメ」においても驚くべき知識をお持ちです。選挙における集会でコスプレをし、「自民党コスプレ事件」という伝説を残したこともあります。詳しくは是非おググり願います。

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http://siorin3962.seesaa.net/category/1505279-5.htmlより)

 両者ともに少し変わった方ですが、どのような激論が繰り広げられるのでしょうか。

 

第八節 ニューカマーは嘘だッ! by三橋

 

 これは、三橋貴明先生が作成されたグラフです。
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https://38news.jp/economy/12434より)

 実質賃金の「上昇率」(前年とくらべて何%上昇したかという率)と、就業者の「増加率」(上昇率と同じ)のグラフです。

 上念司さんの「ニューカマー効果」という主張が正しければ、就業者(働いている人)が増えれば実質賃金は下がるはずです。しかし、このグラフを見ると大体、就業者数が増えるにしたがって実質賃金も増えているのであります。就業者が増えているのに実質賃金が減っているのは、2013年度以降だけです。

 つまり、「2013年以前は、就業者が増えれば平均の賃金も上がっていた」ということです。これはどういうことなのでしょうか。

 三橋さんはこの事実を、このように分析します。

実質賃金は、
労働分配率(※企業が儲けたお金の内、何%が従業員のお給料になったかという率のこと)と生産性で決まります。

就業者数が増え、
同時に実質賃金が低迷するとは、

「企業が労働分配率を減らしているか、
生産性が低下しているか、
あるいはその双方である」

という意味を持ちます。

( (※)内は三幸が補足)

 つまり経済が悪くなったので、企業が生産性を高めることができなかった。なぜなら生産性を高めるには、高い装置を買ったり、開発するなど、リスクのあることをしなくてはならない(これを設備投資とよびます)。生産性が低い以上、従業員に高いお給料を払うのも困難になるので、やむを得ずお給料を減らさなくてはならない。ところが生産性が下がると物が作れなくなるのでさらに人を雇わないといけない。

 こういった恐ろしい現象が起きていると三橋先生は考えられるのです。

 したがって、三橋さんは「ニューカマー効果」なる説明は嘘であるとします。

 

 また、企業は人件費(お給料)を安くしたいあまり、女性や高齢者を雇いまくっているともしています。

 そして、景気が悪いからこそ、昔のように「父が一家の大黒柱となり、妻や子供、祖父母を養う」といったことにならないのだと指摘するわけです。

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(「亡国のメガロポリス三橋貴明 彩図社より)

 このグラフを見ると、確かに就業者数が増えたのは女性と高齢者だけです。男性の雇用はどちらかというと、減っているわけです。

 

上念司さんはTwitterにてこのように主張していました。

①2009年からの民主党政権で働く人は115万人減った
②2012年末からの安倍政権で働く人は394万人増えた

どっちが幸せか考えるまでもない。

 https://mobile.twitter.com/smith796000/status/1093039669531545601?lang=jaより

 しかし、三橋貴明先生は、就業者数が増えることは不景気によっても起こることだとするわけです。

 

第九節 食らえッ「名実逆転」ッ!by上念

 これは上念さんのツイートです。

 名目>実質ならデフレ脱却、名目<実質ならデフレと覚えておきましょう。

https://mobile.twitter.com/smith796000/status/436636947508129793より

 名目賃金が実質賃金を上回る状態ならデフレ(不景気)ではなく、名目賃金が実質賃金を下回る状態ならデフレだと言うわけです。

 なぜそうなるのでしょうか?

 ミソは、物価の動きの方が賃金の動きより早いところにあります。
 つまり、好景気になるとまず物価が上がり、それに続いて名目(ありのままの)賃金が上がるわけです。不景気も同様に、物価がまず下がり、それに続いて名目賃金が下がります。
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 では、この表に実質賃金をつけ足すとどうなるでしょうか。

f:id:miyukiyasmaro:20190622155652j:image

 なんと、好景気にも関わらず実質賃金が下がったり、不景気にも関わらず実質賃金が上がったりするわけです。なぜなら、好景気のはじめには名目賃金は上がらずに物価が上がり(物の値段が高くなる)、不景気には名目賃金が下がらずに物価が下がっていく(物のが安くなる)からです。

 

 この景気の変わり目の時、実質賃金と名目賃金が逆転する場合があります。もう一度さきほどのグラフを見て下さい。f:id:miyukiyasmaro:20190622155652j:image

 不景気になった時、実質賃金が名目賃金を上回り、逆転します。これを「名実逆転」とよびます。

 上念さんはこの名実逆転こそが好景気、不景気を見分けるポイントだとするわけです。そして、実質<名実なら、物価が上がっている(インフレ)ので好景気。実質>名実なら、物価が下がっている(デフレ)ので不景気だとするのです。

 ちなみに、この理論でいうところの好景気な名実逆転(実質名実)は最近起こりました。このグラフでいうところの2014年です。f:id:miyukiyasmaro:20190622155548j:image

 上念さんの理論に従うと、2014年から日本は好景気になったということになります。

 ただし、私が前稿で述べたように、物価は景気だけで動くものではありません。増税や石油の高騰によってインフレになりますが、このインフレだと国民の生活は苦しくなるだけです。

 ちょうど、この名実逆転があった2014年には安倍総理による消費増税があったので、それによって物価が上がっただけでしょう。

 というわけで、私が思うに今は好景気などではありません。

 そして、名実逆転も景気の基準では決してありません。

 

最終節 止揚(しよう)で真実を明らかに「しよう」

 以上が三橋さんと上念さんの熾烈なバトルでした。

 少しややこしい文章ではありましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。

 

 さて、ここで我々が考えるべきことは、「どっちの方が勝ちなのか」ではありません。ネット上には勝ち負けを争って長きに渡る仁義なき「レスバトル」を繰り広げる方がよくいらっしゃいますが、こうした思考はよくありません。

「議論」とは、口喧嘩ではないからです。

「議論」とは、真実を手に入れる為の協力行為です。

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↑協力しあう上念司さん(左)と三橋先生(右)

(ドラえもん」藤子・F・不二雄 小学館第21巻より)

本日の哲学用語

止揚(しよう)」

 異なる説を比較し、正しい部分を合体させ、間違った部分を切り捨てる。そのようにして新しく、より優れた説を導くことを止揚とよびます。

 では、三橋さんと上念さんの主張を止揚し、経済の良さを定義してみましょう。

 

三幸靖麿呂の結論

「経済が良い」とは、

①実質賃金が高くなっている

②物価が良い要因で動いている

③ハッピーな感じに雇用が改善している

この三つが揃った状態のことである。

 

 これが私の定義する好景気です。

 因みにこの定義だと、今は不景気だということになります。

 

あとがき

 少し難しい文章でしたが、最後までお読み下さりありがとうございました。止揚はその人のセンスによるものですから、もし僕と異なる定義をお持ちの方はコメント欄にてお聞かせ下さると嬉しいです。

 

 そして、これは本稿とは関係のない話ですが、僕の過疎ブログにも希薄ながら暖かい風が吹きはじめています。

 アクセス数もまったく0ではなくなり、ほぼ毎日、どなたかがお読み下さっております。また以前、僕の作品を称賛してくださった方がいて、心より嬉しいです。

 どなたかが読んで下さる以上、読みやすく、そして有意義なブログにしたいと思います。

 最後までお読み下さったあなたにもう一度ありがたく申し上げて、筆を置きます。

 ディ・モールトグラッツェ

 

 

「経済がいい」って何? 前編

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(三幸 画)

 テレビなどで「アベノミクスで景気好調!でも実感はあまりない……どうしてだよ!」といったことがよく報じられます。そういうわけで、我々は今、経済が良いのか悪いのかが今一つはっきりしない状態ではないかと存じます。

 そもそも、「経済が良くなる」とはどういうことなのでしょうか。

 本日は「経済が良い」とか「悪い」といった状態について、明確な定義を明らかにしたいと思います。我々がなんとなく思っているであろうイメージから、偉い評論家や学者さんがする定義に至るまで、この女性と間違われたことが四回もある三幸靖麿呂が徹底検証します。

 ただし、できるだけ手短に、そしてやさしく解説するつもりでございやーす。

 

第一節 株価かな?

 テレビなどでたまにやっている「経済のニュース」というと、大体「今月のにっけー平均株価はどーたらこーたらでございやーす」といったものを思い出されるかと存じます。そして、不景気のニュースだと「不景気で株価が暴落…」といった調子で、最近よくあるニュースだと「株価が過去最高に」といった感じです。

 ですから経済が良いとか悪いって結局株価のことだよね?」というイメージが根強いように思われます。

 しかし!これをご覧下さい。(*1)f:id:miyukiyasmaro:20190613082530j:image

 これは、日本の株価(日経平均株価)とアメリカの株価(NYダウ)の推移です。

 よく見ると、2005年からこの二つの折れ線グラフはほぼぴったり寄り添って移動しているのです。実は、日本の株価はアメリカの株価の影響を受けて、それを軸に動いているのです。

 したがって、日本の景気が良くなろうと、悪くなろうと、株価にはちっとも反映されません。

 そもそも日経平均株価は上場した大企業(一言ではちょっと説明しにくいですが、とにかくすごいということ)の株価の平均であって、我々庶民の生活には大して関係のないものです。

 

 株価は経済の良さにあらずッ!

 

第二節 もうググってしまえッ!

 もう面倒臭いのでググってみましょう。

・ 好景気(こうけいき) : モノがよく売れたり、収入が多くて生活が楽な時代や状況のことを 好景気(こうけいき、英:boom) あるいは 好況(こうきょう) と言う。

https://ja.m.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%A4%BE%E4%BC%9A_%E5%85%AC%E6%B0%91/%E6%99%AF%E6%B0%97%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8B%95%E3%81%A8%E7%89%A9%E4%BE%A1

(↑このhttp長過ぎ)

 例えば神様が私に100兆円お与え給(たも)うとします。そうすると私は極めてウハウハになり、父に高級のゴルフクラヴを贈り、母にブランドの服を贈り、「ジョジョの奇妙な冒険」全巻と「岸辺露伴は動かない」を揃え、荘厳な屋敷を建て立派な本棚を設置して、ニートになった友人に毎月お金を送ることでしょう。このように、人は経済的にウハウハになると、「消費」するようになります。

 私が消費した多額のお金はスポーツメーカー、ファッション企業、書店、集英社、建設業者といった「企業」に伝わっていきます。消費が多くなればなるほど、企業はウハウハになります。ウハウハになった企業は私と同様に色々なことをはじめます。技術開発や設備投資(生産性を上げる為、より便利な機械などを買うこと。物不足を防ぐと同時に企業による企業への消費となります。)、新しい店を開いたり、また、その為にもっと人を集めるべくお給料を上げたりするでしょう。

 お給料が上がるとさらに消費者がウハウハして消費しまくります。そうなると企業もさらにウハウハします。ウハウハした企業は技術開発、設備投資、そしてお給料も上げます……

 と、このようにしてお金が国中を巡り、経済的なウハウハをどんどん伝えていく状況を経済が良いとか、好景気というわけですf:id:miyukiyasmaro:20190615115242j:image

(↑好景気の図 筆者作)

 前述の通り、好景気になると消費が増えます。これは消費者に余裕が出てきたからです。ということは、ちょっと高いものでも買ってくれる人が出てくるわけです。

 そうなると一円でも儲けたい企業たちは商品の値段を上げます。商品の値段が上がると必然、物価(値)が上がります。値上げしても景気が良いので売上はやっぱり増えます。給料も上げれます。さらに値上げしても大丈夫になります。また物価が上がります。

 このように、好景気になると物価がどんどん上がっていく現象が始まるわけです。

 そして物価が上がり、お金の価値が下がっていくことをインフレーションといいます。

 反対に経済が悪いと、物価が下がってお金の価値が上がり(詳しくはこちらに解説しております)、これをデフレーションといいます。

 その為、

「好景気=インフレ」

「不況=デフレ」

 といった解説がされることがよくあります。

 

第三節 物価かな?

 そう考えると、物価の高さが景気の良さと定義できるような気もします。

 しかし、物価が上がるのは上記のようなハッピーな要因ばかりではありません。例えば石油の価格が上がると、我が国の製品の多くは石油でできているので、企業は苦しくなり、値段を上げざるを得ません。

 これでは経済が良いとはとても言えないわけであります。

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(↑石油危機直後の狂乱物価と呼ばれた時代https://images.app.goo.gl/Ty3RCDEMHEvUr9hk7

 また、消費増税も事実上、強制的に物価を引き上げる政策ですが、不景気をもたらし、最終的にはデフレになります。詳しくは拙稿の消費増税シリーズをご参照下さい。

物価は経済の良さにあらずッ!

 

第四節 平均給与かな?

 先ほど引用したwikibookの文章には、好景気について

収入が多くて生活が楽な時代や状況のこと

 とありました。

「じゃあ平均のお給料が上がっていたら好景気じゃん!」と思われる方がいらっしゃるかと存じます。

 では、僕が二秒で考えた架空の存在、さとし君の例を見てみましょう。


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 さとし君のお父様のお給料は確かに上がりました。しかし、いざスーパーマーケットへ向かえば、物価が急激に上がっていたのです。これでは満足に物が買えず、さとし君の家庭は貧しくなってしまうわけです。

 物価が上がった要因は第三節で述べたような、石油の高騰だったり、消費増税が原因だったりするのでしょうが、いずれにしても物価が上がる(インフレになる)とお給料は増えるものです。

 なぜなら、インフレとは物の価値が上がり、お金の価値が下がる現象なのですから。

 ですから、お給料が上がったから好景気、というわけにはいきません。

 

平均給与は経済の良さにあらずッ!

 

第五節 実質賃金かな?

 では、お給料から物価の動きを加味(かみ)すれば問題なくなるのではないでしょうか?つまり、物価が上がったせいで裕福になったように錯覚した分を差し引けば、本当の大きさが分かるのではないでしょうか。

 例えば、先月のお給料が30万円だったとします。今月は40万円でした。そして物価は先月よりも1.5倍上がりました。この場合、物価が1.5倍上がったせいで、その分豊かになったように錯覚してしまっているわけです。では、1.5で割れば本当の大きさに戻るわけです。

 

本日の経済用語

実質賃金……平均賃金に物価の動きを加味したもの。実質的な賃金

 

 この場合、実質賃金は先月を基準にして(40÷1.5)万円なので、約26万7000円になります。つまり、先月よりも実質賃金が3万3000円減り、貧しくなったことが明らかとなるわけです。

 そういうわけで、実質賃金こそ我々の豊かなのであります!

 

結論 実質賃金は経済の良さの程度である!

 

 と、思っていたのですが、実はこの考えについても色々と論争が繰り広げられているのです。

 

第六節 実質賃金じゃないのかな?

 それは、飽(あ)くまで実質賃金は平均値であるということです。その為に、「ニューカマー効果」なるものが指摘される場合があるのです。

 

本日の経済用語

ニューカマー効果……失業問題が解決するがニューカマー(新しい従業員)が来る影響で、平均賃金が下がってしまう現象。

 

 ニューカマー効果については経済評論家の上念さんが分かりやすく解説しております。f:id:miyukiyasmaro:20190614235339j:imagef:id:miyukiyasmaro:20190615000139j:image

(チャンネルくららよりhttps://youtu.be/BXCti99aWmI

 この図には、Aさん、Bさん、Cさんの三人の人物が登場します。Cさんは去年、失業者で、給料も当然0でした。

 ところが今年、経済が良くなってCさんは職を得ます。経済が良くなると、企業はもっと人を雇おうとするからです。さらに、AさんBさんのお給料も上がります。この状態は紛(まご)うことなき「好景気」であると言えます。

 しかし、好景気であるのに関わらず、この場合平均賃金が下がってしまうのです。

 なぜなら、ニューカマー(新参者)であるCさんはまだ高い給料を貰っていないからです。去年、Cさんのお給料は0でしたが、失業者なのでこの0は平均賃金の計算に含まれていなかったのです。

 上念司さんはこのニューカマー効果を唱え、実質賃金を重視する人を「実質賃金ガー」と揶揄(やゆ)しています。

 そして、本当の経済の良さは実質賃金ではなく、失業率や就業者数(職いた)などの「雇用」の状態を表す数値を見れば分かると断言しました。なぜなら、前述の通り、経済が良いと企業が人をたくさん雇おうとするからです。

 

実質賃金は経済の良さにあらずッ!
雇用こそ経済の良さであるッ!

 

 と思いきや、これにもまた反論をする方が現れます!

 どんな反論かというと、それは次回をお楽しみに!それではまた来週!

 

*1 「グラフメーカー」によって、筆者がYahooファイナンスを元に作成、

「一人で死ね」再考

 

「一人で死ね」という言葉が誰も救わないということだけは確かだと思っています。

 川崎市の彼は社会に、「一人で死ね」と言わんばかりに散々爪弾きにされたのだろうと思います。だから彼は、社会そのものを心の底から憎んで、自ら攻撃するに至ったのです。

 この国には彼と同じように、社会を呪っている人が密かに生きていることでしょう。そんな人たちが「死にたいやつは一人で死ね」などと聞いたら、より一層社会に対する恨みを深くする筈です。そしてこの恨みこそが、無差別殺人の犯人なのです。

 自分語りになりますが、私はかつてその「彼ら」の一人でした。窮屈な校舎の中で、人間のくだらなさや醜さにうんざりしました。そして、社会というものは全員自分の敵なのだと信じました。皆死ねば良いなどということも何度も思いました。自分を苦しめた社会への仕返しとして、自分の手で手当たり次第に人を殺す様子を夢想したこともありました。

 恥ずべきことですが、僕は本気で人を殺すことを考えていたのです。それは自分以外の人間は皆無価値で、冷たい鉄のような物質と同類だと思っていたからです。そんなことばかり考えていたから、自分自身冷たい鉄のような物質になっていました。

 今、僕は物質ではなく、温みのある生き物として、喜びとか悲しみを感じながら生きています。たまにうんざりしますが、それでも生きています。僕が持っているこの熱のようなものは、自分の手で作り出したものではありません。誰がか伝えてくれたものです。言葉や、音楽、絵を通じて、数えきれない人たちが与えてくれたものです。

 もしもこの熱を誰も伝えてくれなかったなら、僕は彼と同じことをしたかもしれません。

 

(ちょっと陰鬱な話になってしまったかもしれませんが、飽くまで過去の話でございます。現在の私は別に晩年の芥川ムードである訳ではなく、そこそこにウハウハやっておりますので、どうかお気になさらず)

 

 あなたが今生きているのも、誰かから伝えられた熱があなたの中に残っているからだと思います。失礼なことを言いますが、あなたが自殺したり人を殺していないのは、あなたの周りの人々のおかげだと思うのです。彼は多分、誰にも熱を伝えられなかったのか、心ない人に奪われたのか、知らずの内に少しずつ手放してしまったのだろうと思います。

 その為に、小さい子どもが苦しんで泣けば必ず起こるであろう痛みを、彼は失ったのです。そう思えば彼も不幸なのです。

 こんなことを言えば、

「あいつは悪くないというのか」

 と恐ろしい剣幕で怒鳴る人が必ずいます。

 確かに彼は悪い人です。人の命を奪いました。ご遺族の悲しみや怒りは計り知れません。ご遺族にとって、この事件が解決する日などずっと来ないのです。取り返しの付かないことをしたのです。

 しかし、殺人を繰り返し大きな声で糾弾することが、事件を減らすことに繋がるのでしょうか。小さな子どもの痛みさえ感じない者に、「死にたいやつは一人で死ね」などという言葉でその感情は伝わるのでしょうか。

 あの時、彼は不審な様子は一切呈さず、静かに近づいて犯行に及んだと言います。防犯対策をどれだけ強めようと、こればかりは防げなかったのです。

 ならばこの事件を教訓にする為には、我々自身がもう少しだけ、人の弱さや痛みに歩み寄るべきだと思います。「人」が「憂」いに寄り添うと、ほら、「優」という字になるでしょう。

 元犯罪者予備軍の分際で言うのも何ですが、優しさをどうか大事にして下さい。そして、あなたの温みを伝えて下さい。

 

 乱雑でちょっと不愉快な文にも関わらず、最後まで読んでくれたあなたに、心よりありがたく申し上げて筆を置きます。

【財政・増税問題】こんな教科書は嫌だ2 その③


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 その①、②にて、私は日本の財政に問題はないことと、消費増税をすると確実に消費が落ち込み経済を悪化させることを証明してご覧に入れました。

 では、そんな消費増税に果たしてメリットはあるのかどうか。今回はテスト期間でも執筆する男、三幸靖麿呂が、それを徹底的に検証して消費税についての解説を終わりにします。

第七節 少子高齢化の何が悪いッ!

消費増税が実行されると、国民は社会保障が安定するメリットが得られます。

なぜ消費税は8%から10%に増税されるのでしょうか。財務省は「社会保障財源のため」と説明しています。社会保障とは、年金や医療保険介護保険生活保護などのことです。

社会保障費は元々多額の費用を必要としていましたが、それが少子高齢化によって膨れ上がっているのです。
そのため安定した税収が必要であり、増税は避けられませんでした。
https://www.keigenzeiritsu.info/article/19577

 少子高齢社会なので、このままでは社会保障(国が社会を保障すること)が困難になる。  少子高齢化とは、働かない高齢者が増え、働く若者が減っていくことですから、国がどんどん小さくなってしまう。その状況で社会保障を維持する為には若者がもっと税金を払わなければならない。というロジックになります。

 そうしたイメージを表現すると、次の図のようになるかと思います。


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(朝日学生新聞社 ジュニア朝日よりhttps://www.asagaku.com/jkp/2013/8/0831.html)

 しかし、よくよく考えるとこれはおかしい話です。なぜなら、少子高齢化がどれほど進行しようと、それ以上の速さで働く人の『力』が大きくなれば何ら問題はないのですから。

 『力』とは、物を作る力です。この世に価値を生み出す力です。

 例えば、「千年前のお掃除サービス」を想像して見て下さい。千年前ですから、箒や雑巾などの道具を荷車に引いて、何軒ものお客様のところへ汗水足らして駆け回らなくてはならないでしょう。

 一方、「現代のお掃除サービス」を想像して見て下さい。高圧洗浄機、掃除機など、箒や雑巾よりも強靭(きょうじん)な道具はお店で購入することができます。それを自動車で運ぶと、荷車を引くよりも遥かに速く、労力もかかりません。

 では、「千年前のお掃除サービス」と「現代のお掃除サービス」は、どちらの方が力があると言えるでしょうか?

 もちろん、「現代のお掃除サービス」です。現代のお掃除サービスの方が、より多くのお客様に、より品質の良いサービスが可能であり、従ってより多くのお金を稼げます。
 もっと言えば、より多くの税金も払えるし、より多くの消費をしたり、より多くGDPを大きくできたりする訳です。つまりそれは国を大きくすることで、大きくなった国は財政も安定するし、社会保障だってできます。

 働く人の力を大きくするとは、こういうことなのです。

 私が言いたいことはつまり、本当に「少子高齢化に向けて社会保障を維持しよう」とするならば、より多く税金をとるのも一つのアイデアですが、もっと働く人の力を大きくするということも無視できないはずなのです。
 これは落合陽一さんがTwitterで発表したイラストです。

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(落合陽一さんのツイートよりhttps://mobile.twitter.com/ochyai/status/863280246140698624より)

 落合さんの描くイラストの中で、働く人たちはAIなどの機械を操るなど、より強大な『力』を手に入れています。ご老人たちへの社会保障も軽々としています。

本日の経済用語
設備投資

………生産性(物やサービスを生み出す力)を向上するために、より高い技術をもった設備(道具、装置など)を買ったり、開発すること。

このような社会を目指す上では、企業が生産性を高める為に、どんどん技術を向上させていく必要があります。その為には投資をしなくてはなりません。これを「設備投資」と言います。

 では、設備投資をするにはどうすれば良いでしょうか。不景気であれば、少なくともリスクのある設備投資を行うのは、企業としては気が引けます。
 つまり、好景気であれば好景気であるほど設備投資は盛んになります。

では、好景気にする為にはどうすれば良いでしょうか。

増税しないこと。
減税することです。

 景気を良くすれば国が大きくなり、社会保障を維持できるし、もっと充実させることだってできます。
というか、景気が良くなれば将来の不安が解消し、お給料も上がって余裕ができるので、子供をつくる人が増えます。つまり景気を良くすれば少子化が解決します。

 以上の理由から、少子化高齢化でヤバいというのなら、尚更(なおさら)増税してはならないのです。減税すべきなのです。


第八節 詐欺の真実を暴いて何が悪いッ!

 政府は「消費税引き上げ分は全額社会保障に当てます」としています。しかし実は、国債を返済することも実は社会保障と見なされています。政府に言わせると「借金のない社会を保障するのだから間違いじゃねえだろ!」ということにでもなるのでしょうが、その理屈だと軍事費も公共事業費(道路とか学校など、公共の施設を作るという事業をする為のお金)も社会保障に分類できます。

 恐らく、ほとんどの方が想像する社会保障とは、子供やお年寄り、貧困に陥っている人たちを、皆で手助けすることであると思います。
 その根拠に、大抵の消費税を論ずる人は、消費増税でお年寄りや子供たちが助かると予想しているのです。

例えば近年話題に上がることの多い待機児童問題については、受け入れ施設を増やすことや育児休暇の取得支援、育児休暇中の生活支援などがあります。

また、高齢者の医療費負担の軽減、施設などの利用・入居支援などの社会保障の充実が期待されます。
https://tech-camp.in/note/pickup/53430/#i-7

高齢者などを支えるためにも社会保障は必要ですし、年金問題などにより不安視されている年金制度を安定させるためにも必要です。つまり、国に納付される消費税が増えれば私たちの社会保障制度お(が)より安定することになるのです。
https://keiei.freee.co.jp/articles/t0100042

(※()内の修正は三幸が行いました)

消費増税が実行されると、国民は社会保障が安定するメリットが得られます。

なぜ消費税は8%から10%に増税されるのでしょうか。財務省は「社会保障財源のため」と説明しています。社会保障とは、年金や医療保険介護保険生活保護などのことです。

社会保障費は元々多額の費用を必要としていましたが、それが少子高齢化によって膨れ上がっているのです。
そのため安定した税収が必要であり、増税は避けられませんでした。
https://www.keigenzeiritsu.info/article/19577

怪我や病気をした際に医療費の一部を負担してくれる健康保険や一定の年齢に達すると受け取ることができる年金保険。
これらは現在働いている現役世代が負担することで制度が成り立っていますが、少子高齢化によって以前よりも現役世代への負担は大きくなっています。

消費税の一部はそういった社会保障制度の財源としても使用されており、増税されればさらに多くの財源をまわすことが可能となります。
https://business-textbooks.com/consumption-tax-hike/

これにより、消費税増税の本来の目的である財政健全化に寄与し、急速な高齢化、少子化で問題とされている社会保障制度が安定する。
(中略)
また、消費増税の直接のメリットではありませんが、幼児教育・保育や低所得者向けに大学の無償化を実施するとしていますので、幼児等を持つ家庭にはメリットがあるようです。
https://sportsmania1.com/consumption-tax-10%EF%BC%85-advantages-disadvantages/

 ブロガーさんや大手新聞社までもがこのように誤解してしまっています。いや、「詐欺」されてしまっている、と言った方が正確でしょうか。

「重箱の隅をつつくな!揚げ足を取るな!国債返済とかどうせ大したことのない額だろ!」

などという指摘があるかもしれません。
では、今年予定されている10%の増税ではどれだけの額が国債の返済に当てられるのでしょう。5%かな?10%かな?


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政府広報よりhttps://www.gov-online.go.jp/tokusyu/syaho/naze/minna.html

 半分以上であります。この事実を把握している人がこの国に果たして何人いらっしゃるでしょうか。

 因みにこれは今回に限った話ではありません。

 2014年度の8%の増税の時も、増収5兆円の内、我々の考える社会保障に使われたのは5000億円。2017年度は増収分8.2兆円のうち、1.35兆円です。

(ソースhttps://lite-ra.com/2018/11/post-4346_2.html

 今回の場合は「幼児教育無償化」といった目標を明らかにしています(条件や学費によって無償化の対象外になる場合もあります)。   しかしながら、その為にお金を使ってしまえば、果たしてただでさえ少ない保育所や幼稚園の数を増やすことはできるのでしょうか?ただでさえ少ない保育士の数やお給料を増やすことはできるのでしょうか?もしできなかったら、保育所、幼稚園の負担はさらに重くなり、教育の質は悪くなります。
 また、「貧しいままで忙しくなるばっかりで馬鹿馬鹿しいッ!こんなものは辞めだッ!」ということで、保育士さんがさらに辞職し始め、益々(ますます)教育の質が落ちるという悪循環も予想されます。幼児教育の無償化と謳いながら、幼児教育そのものが困難になるかもしれません。このような事態は「社会保障の充実」とは呼び難いものです。
 その上消費増税で家計が圧迫されるとなると、更に子育ては苦しくなるでしょう。

 では突然ですが、今回の内容を復習する為に、読者の皆様に問題です。

少子高齢化が進んでいるにも関わらず、増税で国の力(経済)を縮小させ、増収分の多くは国債の返済に当てるという方法で社会保障は充実しますか。

 答えは、実際に我が国の社会保障がどうなったかを見れば分かります。
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堤未果氏「日本が売られる」幻冬舎新書より)

 

第九節 国債の返済に意味なしッ!

 前稿に於(お)いて、私は誰がどれだけ国債を持っているのかという「国債保有者割合」の表をお見せ致しました。

 日本銀行の部分を無視すると、ほとんどの国債が銀行や保険などの「金融機関」の手の中にあります。では、なぜ金融機関は国債をたくさん保有しているのでしょうか?

 私は、景気が悪いからであると考えます。

 景気が悪いともちろん企業は弱ります。企業が弱っているとなると、そこに努めている人たちの収入も不安定になります。
 金融機関は、そうした状態では安心して誰かにお金を貸すのが困難になります。遂には「貸し渋り」し始めます。かと言ってお金を増やすことができなければ、彼らはいずれおしまいです。そこで、「企業やサラリーマンよりかは安全な国債を借りよう」ということになるのです。

 その為、不景気になればなるほど、国債金利が低くなっているのです。国債が危険で「返されるか分からない」というリスクを孕(はら)んでいるならば、その分リターンがないと誰も買わないので、金利は高くなります。しかし、現実には下がりに下がってほとんど0に近くなっています。


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(【三橋貴明】本当の意味の「将来世代の悲劇」よりhttps://38news.jp/economy/12691

 こうした状態で国債を返済するとどうなるでしょうか?金融機関にお金が返ってきますが、そのお金は再び国債となるでしょう。
というわけで、現在に於ける国債の返済は無意味であると言えます。

 

最終節 経済と財政 再考

 増税について議論する際、しばしば「要するに財政を選ぶか、経済を選ぶかだよね」といった声を聞きます。

 しかしながら、良い財政は良い経済なくしては成り立ちません。
 なぜなら、前述の通り、経済が大きくなれば国が大きくなり、より多くの借金をすることが可能になります。
 また、そもそも税金とは、我々の経済活動(物を買ったり、働いてお給料を貰ったりだとか)の一部から、政府へ納めるものなのです。こうした経済活動の一年の合計をGDPと呼びます。つまり、税金とはGDPの一部なのです。
 仮にGDP10兆円の国に10%の税率を課すと、税収は1兆円です。
 が、GDP100兆円の国に5%の税率を課すと、税収は5兆円です。

そう考えてみると、現在の日本の財政を良くしたいのなら(そもそも良いのですが)、負債(借金)を減らすか、国を大きくするかの二つが考えられます。

 そして、それを確かめる為の対照実験は既に行われたのです!

 90年代。デフレ下で赤字国債に騒いだ日本。
 同じく90年代。デフレ下で赤字国債に騒いだアメリカ。
どちらも何とかして財政を良くしようと頑張っていました。
 日本は、私が前に投稿した「消費増税の歴史」で確認した通り、増税などで借金を減らすことで財政を良くしようとしました。
 一方、アメリカは日本とは逆に、経済を良くすることで財政を良くしようとしました。

 これは正(まさ)しく対照実験です。同じ環境の実験対象に、別々の刺激を与え、その反応を比較する実験です。
 借金を減らすべきか、国を大きくするべきかが明らかになる極めて壮大な対照実験が、偶然にも行われたのです!こんな実験は滅多にあったものではありません。

 ではその結果を確認してみましょう。

 これは90年代に於ける日本の赤字国債の推移です。
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(植草一秀氏「現代日本経済政策論」岩波書店より)
 少し見辛いかもしれませんが、97年の増税をきっかけに、我が国の財政は凄まじい勢いで悪化しています。経済も財政も却って酷くなるという悲惨極まりない結果になってしまいました。

 ではアメリカはどうでしょうか?
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(同書より)
 年々赤字国債は減り、アメリカの財政はみるみる黒字になったではありませんか!これは単に赤字国債の額ですが、この上経済が好転し、国が大きくなったことを考えると、この表が表すよりももっとアメリカの財政は安定したと言えます。

 この実験結果から分かる通り、現在に於ける消費増税は経済を悪化させるのみならず、財政をも悪化させてしまいます。


あとがき

 問題のそもそも根源は、政治家とか官僚だとかではなく、我々国民にあります。 多角的な数字、データ、客観的事実を積み重ねず、テレビに繰り返し繰り返し流される『印象』を信仰する国民の態度にあります。

 印象を信仰するという態度は、消費税のみならず様々な悲劇を起こし続けており、挙げればきりがありません。

 印象はテレビによって簡単に作れます。テレビはお金の力で簡単に動きます。我々は強い者の奴隷なのです

「大衆」という名の奴隷から脱却し、本当の意味での自由で幸せな「国民」となる為には、あなたがあなた自身の手で真実を探し始めることです。
 そしてそれは、決して難しいことではないのです。

 長文乱文ではありましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。もしご質問やご反論等ございましたら、参考にさせて頂きますので、どうぞコメント欄にてお寄せ下さい。可能であれば真摯な態度で返信させて頂きます。

 我が日本国の繁栄とあなたの幸福を心よりお祈りして、筆を置くとします。

【財政・増税問題】こんな教科書は嫌だ2 その②

【財政・増税問題】こんな教科書は嫌だ2 その②

 

(※その①を見てない人は前稿を先に見てね)

 本稿は前稿の続きです。というわけで、今回もこの、見知らぬ金髪小学生に通りすがりにブスと罵詈(ばり)された経験を持つこの三幸靖麿呂が、消費増税についてなるべく分かりやすく、そして深く解説していきたいと思います。

 また今回より、読者一人突破を記念して「本日の経済用語」というくだらぬコーナーを始動します。そしてこのコーナーの恐ろしさとは、読者がこれを忘れた時に唐突に襲いかかってくることなのです。これは予言です

 


第四節 政府の借金と呼んで何が悪いッ!

「日本が借金をしている」というフレーズはよく聞きますが、この文章において「日本」とは「日本政府」のことを指します。しかし通常は国家とは「国民と政府の共同体」を指します。

 ですから、「国が借金している」と聞くと何か罪悪感を抱いてしまうのが常識ではあります。しかしながら、厳密には日本というより日本政府が借金をしている訳で、よく言われる一人八百万円以上の借金というのは語弊(ごへい)があるのです。

「屁理屈言ってんじゃあねえ!」

 と言われるかもしれませんが、この違いが実に重要なのです。もし国民が一人ずつ八百万円以上の借金をしているのなら、実に絶望的な状況です。進路も陸(ろく)にイメージできておらず、ニートにもなりかねない僕にはまさにお先真っ暗です。

 一方、「日本政府」が千兆円借金をしているという話なら、何ら罪悪感を抱く必要もなく、深刻な話でもありません。何故なら前稿で述べたように、我が日本政府は世界二位の経常黒字国であり、世界一の純資産を保有し、そしてギリシャとは違い、いざという時には通貨発行権連打という裏技を発動できる強みがあるのです。


第五節 国債保有者割合を把握して何が悪いッ!

 そして、「日本が借金している」の「借金をしている」というのは、誰から借金をしているのかというと、それは日本国民でもあり、外国人でもあり、日銀でもあります。問題は誰がどのくらいの割合で保有しているのかということで、それはグラフを見なければ分からないでしょう。という訳で下の表を見て下さい。

f:id:miyukiyasmaro:20190524180159j:imagef:id:miyukiyasmaro:20190524180212j:image
財務省http://www.mof.go.jp>saimu2018-1-3

 これは国の負債(国債国庫短期証券)の保有者の割合です。一番目立つのが日銀の割合です。日銀は4割以上もの政府の負債を保有しています。しかしよく考えると、日銀は政府の子会社です。という訳で、日銀が「政府!金返せこの野郎!」と催促するといった事態はあり得ない訳です。

という訳で、ちょっと乱暴に聞こえるかもしれませんが、この部分は実は無視しても構わないということが言えるのです。

 そしてその次が銀行。約20%。その次に損害保険や基金等などが並び、これら金融機関を纏(まと)めると45%。日銀が保有している部分を無視すると75%以上が日本の金融機関が保有しているのです。なぜ多く保有しているのかというと、それには重大な理由があるのですが、次稿にてお話致します。

 また、これに家計の保有する分1%を足すと、つまり国民が保有する率は46%、日銀を無視すると78%以上です。国民は大体国の借金の八割を貸しているのです。

 国にお金を貸しているのはほとんどが国民なのです。これを知ると、一層「国民一人当たり八百万の借金」という表現に違和感を感じて頂けるのではないでしょうか?国民が貸したのに関わらず、国民が借りていることになっている訳です。

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↑(消費税反対bot氏「私立Z学園の憂鬱」より https://note.mu/zouzei0percent

 日本の財政に問題はないとする証明は以上と致します。

 

第六節 経済を重んじて何が悪いッ!

 増税の第一の目的が財政を良くすることなのにも関わらず、財政に問題がないとなると、あとはもうデメリットしかないでしょう。

 既にご存知かもしれませんが、増税は経済を悪化させます。

①「たった2%くらい誰も気にしないでしょ」
②「10%だと計算しやすくなるから逆に消費が増えそう」

と言った主張はよく聞きます。しかしながら、実はこれらは間違いであると言えます。

仮に国民の100%が、100円の商品が102円になろうとどうでも良いという性格だとしましょう。

しかし、物の価値が上がる訳ですので、生活費の減りは絶対に早くなります。
月末には
「あれ?いつもよりお金が少ないぞ」
ということになり、消費者は節約するか、貯金に充てるお金を減らすかという岐路(きろ)に立たされます。そして前者の節約を選ぶ人は、日本経済に影響を与えるほど多いのです。

論より証拠。このグラフを見て下さい。
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三橋貴明氏「新世紀のビッグブラザーへ」より http://mtdata.jp/data_61.html#JS18Jul
 2014年4月(jan14)を注目して下さい。この時、消費税率8%への引き上げがありました。引き上げの直前、グラフの線がグィィィンと急激に上昇しているのですが、これは駆け込み需要と呼ばれる現象です。これは有名な言葉なので読者はご存知かもしれませんが、物価(物の値段)が上がるとなると、その前に買っておいた方が得なので、こぞって消費が一時的に上がるということです。消費増税は物価を強制的に上げる政策ですので、必ずこういった現象が起こります。

そして、既に物を買ってストックしておいた以上、当分その商品を買う必要はありません。となると、駆け込み需要の後には急激な落ち込みが訪れるのです。その変動はまるでジェットコースターのよう。

そして問題はその後です。当時、政府や経済評論家、経済学者の多くは、「『V字回復』する」としていました。駆け込み需要が来て、その後落ち込むが、そこからまた急激に消費が回復し、アルファベットのVのような形になるというのです。

しかし結果はこの通り、駆け込み需要から急激に落ち込んだ後、そのまま回復せずに低迷しました。この形がアルファベットのLに似ているので、「L字低迷」と呼ばれています。

 このグラフから、消費税の影響で節約しようとする多くの人々の姿が見えてくる筈です。

②確かに10%だと計算しやすくなります。しかしそのことが消費を促進させるかというと、実はその逆なのです。

これまでは「一割以下だしややこしいから無視しちゃえ」としていた消費者が多くいたかもしれません。それが計算しやすくなるからこそ、無視できなくなるのです。

 理論家を自負する私がこのように断言するのは、単なる憶測ではなく、明確なデータがあるからに他なりません。

 京都大学藤井聡という有名な教授は、この問題を心理実験で検証し、消費税率が10%になれば消費の落ち込みがより深刻になるということを証明されました。

この実験では、様々な商品を買うシチュエーションを想定し、その状況下で様々なパターンでの「増税」を被験者に呈示しました。そしてそのそれぞれで「商品を買い控えするかどうか」を測定しました。こうして、どういう増税がどれだけのインパクトを持つかを測定したわけです。
実験参加者は男性女性100名ずつの合計200名。この皆さんに5つの増税仮想状況を呈示し、それぞれでの「買い控え」の程度を測定しました。
(実験の詳細はこちらを参照下さい。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1182904721810469&set=a.236228089811475.38834.100002728571669&type=3&theater )
(中略)
実験の結果得られたデータを統計分析したところ、「10%への2%増税」は、これまでの「1.4倍もの消費縮退効果」を持つことが示されたのです。

 

『「新」経世済民新聞 【藤井聡】「10%消費増税」が日本を滅ぼすメカニズム~京都大学消費者心理実験より~ 』より
https://38news.jp/economy/11318

(※中略は三幸によるもの)

このように、消費税を引き上げると消費は落ち込みます。

消費が落ち込めば、企業は損をします。大企業は規模が多く、安い物を提供できるので、主な被害者は中小企業や零細(れいさい)企業でしょう。損をすると、企業も節約せざるを得ません。

その為に人件費(人を雇う費用)も下げざるを得ません。人件費を下げる為には、人を雇わないようにするか、人のクビを切るか、人の給料を下げなければなりません。

クビになった人や、給料を下げられた人は、やはり節約します。そうすると消費が落ち込みます。

消費が落ち込めば、企業は損をします。大企業は規模が多く、安い物を提供できるので、主な被害者は中小零細企業でしょう。人件費を下げざるを得ません。

クビになった人や、給食を下げられた人は、やはり節約します。そうすると消費が落ち込みます。

消費が落ち込めば……


このように、終わりのないのが終わり。それが、

本日の政治経済用語
デフレスパイラル

 賢い方はピンと来たかもしれませんが、ここ数十年「デフレで不景気だ」と言われ続けている一つの原因に増税があるのです。

 デフレとは、お金の価値が上がり、物価(物の価値)が下がることです。

 増税をすると国民の生活は貧しくなります。そうするとより安いものが求められるようになり、安くないものはどんどん淘汰(とうた)されていきます。その淘汰から逃れる為に、企業は商品を値下げ(この時点で物価が下落)しなくてはなりません。前述の通り、その為には人件費を下げなくてはならない。そうすれば給料が減ったり、失業者が増えて消費が落ち込み、また安い物が求められ……あとはもう言うまでもありませんね。

 このような無限地獄デフレスパイラルと呼びます。デフレ=不景気とされているのはこういうわけがあるのです。

 このように、消費増税はデフレを深刻化させ、人々の暮らしを貧しくしてしまうのです。人々というのは、貴方(あなた)自身も含まれているかもしれないし、あなたの家族かもしれない。そして私かもしれない。

 それを阻止したいのなら、貴方自身が増税反対派として立ち上がる必要があります


次回予告

 財政・増税問題という宿痾(しゅくあ)に三幸靖麿呂(もちろん偽名)が遂に終止符を打つ。その時、財政とは何か。税とは何かが全日本国民の前に明らかとなるのだッ!
次回!こんな教科書は嫌だ2 最終回!「俺は増税を許さん!お前はもう減税だ」(仮)

 

請うご期待。